大規模修繕の周期は何年?分譲・賃貸・ビル別の目安と当社の実例
大規模修繕の周期は「12年」とよく言われますが、実際の時期の決まり方は、分譲マンション・賃貸マンションやアパート・ビルで違います。
この記事では、八王子を拠点に、管理組合・賃貸オーナー・ビルの修繕を元請けとして手がける巧正株式会社(八王子市)が、国土交通省の実態調査の数値と建物別の周期の決まり方を整理し、当社の公開事例で「築何年の建物に、いつ、何をしたか」をまとめます。
結論:大規模修繕の周期は12〜15年が目安です。ただし法律で決まった周期はなく、分譲は計画と決議、賃貸は劣化と資金、ビルはテナントと点検の時期で決まります。
- 国土交通省の実態調査(令和3年度)では、平均修繕周期は1回目15.6年・2回目14.0年・3回目12.9年
- 平均修繕周期は「13年」が最も多く(23.1%)、全体の約7割が12〜15年
- 工事時の築年数の中央値は、1回目15年・2回目28年・3回目以上40年
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大規模修繕の周期は何年が目安?
国土交通省の実態調査では、平均修繕周期は1回目15.6年・2回目14.0年・3回目12.9年で、平均値では回数が進むほど短くなる傾向があります(中央値は14.0年・13.0年・13.0年)。
| 工事の回数 | 平均修繕周期(平均値) | 中央値 | 周期が12〜15年の割合 |
|---|---|---|---|
| 1回目(n=511) | 15.6年 | 14.0年 | 63.4% |
| 2回目(n=169) | 14.0年 | 13.0年 | 63.3% |
| 3回目(n=56) | 12.9年 | 13.0年 | 66.1% |
| 全体(n=648) | 15.2年 | 14.0年 | 68.5% |
表1:工事回数別の平均修繕周期(国土交通省「令和3年度 マンション大規模修繕工事に関する実態調査」p.11)
周期の分布では「13年」が150件(23.1%)で最も多く、次いで「12年」が122件(18.8%)でした(p.10・対象648件)。工事時の築年数は次のとおりです。
| 工事の回数 | 最も多い築年数帯 | 築年数の中央値 | 築年数の平均値 |
|---|---|---|---|
| 1回目(n=344) | 15年以下 | 15年 | 18.2年 |
| 2回目(n=198) | 26〜30年 | 28年 | 29.4年 |
| 3回目以上(n=242) | 41年以上 | 40年 | 37.3年 |
表2:工事回数別の築年数(同調査 p.9)

この調査は分譲マンションの集計で、賃貸・ビルの数値ではありません。
なぜ大規模修繕は12〜15年と言われるのか?
国のガイドラインの参考周期、外装材料が更新時期を迎える年数、外壁の定期報告の10年ルールの3つが、12〜15年に重なるためです。
| 根拠 | 内容 | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| 長期修繕計画作成ガイドライン | 令和3年9月の改訂で、周期が固定の年数から「12〜15年」のような幅に変わった | 計画を作るための参考値で、義務ではない |
| 外装材料の更新時期 | 外壁の塗膜・シーリング・防水は、一般に12〜15年ほどで劣化が進む材料が多い(長期修繕計画作成ガイドライン・長期修繕計画標準様式) | 材料の種類・日当たり・前回の施工で変わる |
| 建築基準法12条の定期報告 | タイル・モルタル等の外壁は、竣工・外壁改修・前回の全面打診から10年を超えた最初の調査で全面打診等が必要(平成20年国土交通省告示第282号) | 定期報告の対象建物だけの話。対象は特定行政庁ごとに決まる |
表3:12〜15年と言われる3つの根拠(当社の整理)
ガイドラインの各文書の役割は大規模修繕の国交省ガイドラインとはで解説しています。12条の全面打診には例外があります(3年以内に外壁改修等が確実な場合など。詳細と対象建物の調べ方は12条点検の外壁打診調査は義務?)。
分譲マンションの周期は、何で決まる?
分譲マンションの周期は、長期修繕計画の予定時期をもとに、建物診断の結果を見て総会で工事を決めることで決まります。

- 長期修繕計画:30年以上の計画期間に予定年と金額を置き、積立金の根拠にする
- 建物診断:予定年の前に劣化を調べ、前倒し・後ろ倒しを判断する
- 総会決議:共用部分の形状・効用を著しく変えない大規模修繕は普通決議(建物の区分所有等に関する法律18条1項)、著しく変える工事を含む場合は特別決議(同法17条1項)。2026年4月施行の改正で、どちらも出席者を母数に数える形になりました
決議の要件は管理規約と個別の事情で変わるため、管理会社やマンション管理士にご確認ください。詳しくは大規模修繕は普通決議でできる|2026年改正区分所有法の決議要件で整理しています。
18年周期にはできる?
ガイドラインの周期は参考値で、材料の耐久と点検の結果によっては幅の上限を超えて判断する考え方もあります。当社に18年周期で計画した実績はないため、本稿では12〜15年を目安として扱います。
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管理組合様の事例として、八王子市内の4階建16戸・築約30年のRCマンション(2023年・工期約2か月)があります。進め方と費用帯は八王子市の大規模修繕|元請け一貫体制で費用相場・周期・流れを解説でご覧ください。

賃貸マンション・アパートの周期は、何で決まる?
賃貸マンション・アパートには長期修繕計画の作成義務も積立金の仕組みもないため、周期は劣化の状態と、オーナー様が用意できる資金で決まります。
- 劣化の状態:外壁の塗膜・シーリング・鉄部の錆・屋根や屋上の防水を部位ごとに見る
- 資金:工事の年に必要な額を、家賃収入からの積立や融資でどう用意するか
木造・軽量鉄骨のアパートでは外壁・屋根の塗装とシーリング・鉄部をまとめた工事が大規模修繕に当たることが多く、一般に12〜15年が目安とされます(長期修繕計画作成ガイドライン・長期修繕計画標準様式)。計画の作り方は賃貸アパート・ビルの長期修繕計画|オーナーが自分で作る手順と修繕周期でご覧いただけます。


2件の工程と写真は八王子の12戸木造アパート 外壁塗装と共用廊下の防水|施工事例と錆びた折板屋根の塗装|八王子の軽量鉄骨6戸アパート 施工事例で公開しています。
工事費が修繕費になるか資本的支出になるかは個別の判断のため、税理士にご確認ください。
ビル・店舗併用ビルの周期は、何で決まる?
ビルの周期は、テナントの営業を止めずに工事できる時期と、外壁の定期報告(12条点検)の時期が決める材料になります。
- テナントの営業:1階の店舗の営業時間・繁忙期と、工事の音や臭いが出る工程の日をすり合わせる
- 定期報告:対象建物では、全面打診の10年の区切りが外壁改修の検討時期と重なる
当社の八王子市内の4階建て店舗併用ビルの例では、1階の店舗の営業を続けたまま外壁と防水を足場1回で行い、総額は税込450万円でした。

工事中の案内は八王子の4階建て店舗併用ビル 外壁塗装・防水 施工事例で公開しています。
当社の実例では、築何年の建物に何をした?
当社の公開事例では、築約30年・築約45年のRCマンションで外壁・防水・鉄部・シーリングをまとめて行い、アパートやビルでも外壁と防水を足場1回で実施しました。
| 建物 | 築年 | 工事の時期 | 主な工事内容 | 工期 | 費用(公開分) |
|---|---|---|---|---|---|
| RCマンション 4階建・16戸(管理組合) | 築約30年 | 2023年 | 外壁・鉄部塗装、屋上防水、コーキング、共用部の床 | 約2か月 | 非掲載 |
| RCマンション 3階建・12戸 | 築約45年 | 非掲載 | 外壁・屋根・鉄部塗装、屋上防水、シーリング | 約2か月 | 約1,200万円(税込) |
| 賃貸マンション 3階建・15戸 | 築約30年 | 2026年9月〜10月 | 廊下側の屋上防水のみ | 9月28日着工・10月中旬完了 | 非掲載 |
| 店舗併用ビル 4階建 | 非掲載 | 2025年11月〜12月 | 外壁塗装、コーキング、屋上・バルコニー防水、階段シート | 11月10日〜12月27日 | 税込450万円 |
| 収益ビル 3階建 | 非掲載 | 2026年5月完工 | 外壁塗装、シーリング、屋上・バルコニー・外階段の防水 | 非掲載 | 585万円(税込) |
| 木造アパート 2階建・12戸 | 非掲載 | 2025年3月〜5月 | 外壁・屋根塗装、シーリング、鉄部、共用廊下の防水 | 約7週間+床仕上げ | 非掲載 |
| 軽量鉄骨アパート 2階建・6戸 | 非掲載 | 2024年11月〜12月 | 折板屋根・外壁塗装、シーリング、鉄部 | 約3週間 | 非掲載 |
表4:当社の公開事例(各施工事例ページの記載と当社の記録から。所在地はいずれも八王子市内。何回目の工事かは非掲載)

築約30年の例は八王子市のRCマンション大規模修繕|施工事例、築約45年の例は八王子 3階建・12戸RCマンション大規模修繕|費用公開・税込約1,200万円で、工程と仕様を公開しています。
周期より先に見るべき劣化サインは?
周期の年数よりも、外壁・シーリング・鉄部・屋上防水に出ている劣化の場所と程度のほうが、時期を決める確かな材料です。
- 外壁・シーリング:チョーキング(触ると白い粉)、ひび割れ、目地の肉やせ・はがれ、タイルの浮き
- 鉄部:手すり・階段・扉の錆、塗膜の膨れ
- 屋上・屋根:防水層の膨れ・はがれ、ドレン周りの土や苔、金属屋根の赤錆

部位別の周期と点検時期はマンション・ビルの修繕周期 早見表にまとめています。
「屋上だけ先に」「外壁だけ先に」は周期を崩す?
雨漏りがあれば先に直し、無ければ次の大規模修繕に組み込むと足場や住民への案内を1回にまとめられるため、雨漏りの有無が分かれ目です。
- 先に直す:雨漏りが出ている、防水層の破れが広い、次の大規模修繕まで数年以上ある
- 大規模修繕に組み込む:雨漏りが無く、外壁の改修も数年のうちに予定している
施工管理部の所見(八王子市内の賃貸マンション・3階建15戸・築約30年)
この建物の工事のきっかけは、エレベーター上部の漏水でした。漏水が出ていたため周期を待たずに、廊下側の屋上(エレベーター上部と廊下面)の防水だけを先に改修し、外壁は対象にしていません。2026年7月23日の現地調査で既存ゴムシートにかぶせられると判断し、ウレタン塗膜防水(密着工法)で施工しています。屋上の中で完結する工事のため、足場は架けていません。

この工事の全工程は八王子の賃貸マンション屋上防水 施工事例で紹介しています。
自分の建物の周期は、どう決めればよい?
建物診断で劣化の状態を記録し、その結果を長期修繕計画に入れて工事の年を決め、同じ条件で見積を比べる、という順番が確実です。

- 無料建物診断:部位ごとに確認し、写真つきの報告書にまとめます
- 報告書と見積:現地調査から10日前後で、報告書と工事項目ごとに分けた見積書をお渡しします
- 計画への反映:「今回やる」「次回に回す」を分け、年と金額を計画に置きます
- 見積の比較:工事項目と数量をそろえて、相見積で比べます
よくあるご質問
Q1. 大規模修繕を何年ごとに行うかは、法律で決まっていますか?
A. 決まっていません。12〜15年は国のガイドラインの参考値で、義務ではありません。ただし定期報告(建築基準法12条)の対象建物では、外壁の全面打診等の時期が別に定められています。
Q2. 2回目の大規模修繕はいつごろですか?
A. 国土交通省の実態調査では、2回目の工事時の築年数の中央値は28年です。詳しくは八王子の築30年マンション大規模修繕|2回目の費用相場で解説しています。
Q3. 築20年で一度も大規模修繕をしていませんが、必要ですか?
A. 必要かどうかは建物診断で判断します。1回目の周期の平均は15.6年なので、まず診断で工事の範囲と時期を決めるのが確実です。
Q4. 周期を18年に延ばすことはできますか?
A. ガイドラインの周期は参考値で、材料の耐久と点検の結果によっては延ばす考え方もあります。当社に18年周期で計画した実績はなく、可否は建物ごとの診断で判断します。分譲では計画の見直しと総会の合意が必要です。
Q5. アパートの大規模修繕は何年ごとですか?
A. 決まった周期はなく、外壁・屋根の塗装やシーリングの劣化を見て、一般に12〜15年が目安とされます(長期修繕計画作成ガイドライン・長期修繕計画標準様式)。長期修繕計画の作成義務がないため、オーナー様が劣化の状態と資金計画から時期を決めます。
Q6. 大規模修繕をしないと、どうなりますか?
A. 大規模修繕そのものに義務や罰則を定めた法律はありません。ただし建築基準法12条の定期報告の対象建物では、報告の義務と未報告の罰則が別にあります。対象かどうかは特定行政庁(八王子市・東京都など)でご確認ください。
巧正にご相談いただく場合の流れ
巧正株式会社(八王子市)は、八王子を拠点に東京・神奈川・埼玉・山梨の建物修繕を、元請け一貫体制で調査から施工・保証まで一括で管理しています。
- お問い合わせ(24時間受付・1営業日以内にご連絡)
- 無料建物診断・現地調査。部位ごとの劣化の状態を確認します
- 報告書と、工事項目ごとに分けた見積書をお渡しします(現地調査から10日前後)。契約の義務はありません
- 入居中の建物では、着工2週間前に書面で入居者・住民の方へご案内します
- 工事保証と定期点検は巧正の工事保証とアフター点検をご覧ください
- 東京都知事許可(般-7)第161006号/創業2014年4月・累計1,000件超
- 〒192-0045 東京都八王子市大和田町6-19-8 ウィングマンション205号
次の大規模修繕の時期を、建物診断から一緒に決めます
オーナー様・ビルのご担当者様は無料建物診断から。管理組合の方は理事会向け30分オンライン説明(無料)もお選びいただけます。
お電話:042-508-3134(9:00〜18:00/日曜定休)|お問い合わせフォーム(24時間受付)|公式LINE|賃貸オーナー様向けのご案内
出典・参考資料
- 令和3年度 マンション大規模修繕工事に関する実態調査(国土交通省)|p.9 工事回数別の築年数、p.10 平均修繕周期の分布(対象648件)、p.11 工事回数別の平均修繕周期。調査期間 令和3年7月〜10月
- 長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント(国土交通省・令和6年6月改定。12〜15年の幅は令和3年9月改訂で導入)|修繕周期の参考値
- 長期修繕計画標準様式(国土交通省)|修繕周期の参考値
- 賃貸住宅管理業者向け 計画修繕ガイドブック(国土交通省)|賃貸住宅の長期修繕計画の作り方
- 建築基準法12条・平成20年国土交通省告示第282号|外壁の定期調査(全面打診等)
- 建物の区分所有等に関する法律(e-Gov法令検索)|17条1項(共用部分の変更)・18条1項(共用部分の管理)
- 国税庁 タックスアンサー No.1379 修繕費とならないものの判定
- 当社の施工事例:八王子市内のRCマンション(4階建・16戸・築約30年)、3階建・12戸RCマンション(築約45年)、賃貸マンション屋上防水(3階建・15戸・築約30年・2026年)、4階建て店舗併用ビル(2025年)、3階建て収益ビル(2026年5月完工)、木造2階建て12戸アパート(2025年)、軽量鉄骨2階建て6戸アパート(2024年)
執筆・監修:巧正株式会社(外壁診断士・2級建築施工管理技士補 在籍)|本記事の周期は上記の公表資料と当社の施工事例にもとづく目安で、個別の建物の工事の時期・内容・金額は建物診断と現地調査で決まります。2026年11月時点の内容です。
