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アパート・賃貸マンションの大規模修繕|東京・多摩の費用相場と進め方

賃貸マンション・アパートは、入居者の暮らしと家賃収入を生み出す「事業用の資産」です。だからこそ、外壁や防水を「いつ・いくらで・誰に頼んで直すか」が収益性に直結します。この記事では、東京・多摩エリアでアパート・賃貸マンションをお持ちのオーナー様に向けて、大規模修繕の費用相場・周期・進め方・業者選びを、木造2階建て100万円前後からRC造800万円台〜の公開実例と、八王子市内で実際に手がけたビル大規模修繕の費用内訳(総額585万円)とあわせて解説します。巧正株式会社は八王子を拠点に、東京・神奈川・埼玉・山梨で元請けとして建物修繕にあたっています。

賃貸オーナー様向けの総合案内は「八王子・多摩の賃貸マンション・アパート大規模修繕(オーナー様向け)」、大規模修繕全体の流れは「八王子市の大規模修繕」もあわせてご覧ください。

目次

1. なぜ賃貸マンション・アパートに大規模修繕が必要なのか

分譲マンションと違い、賃貸物件の修繕はオーナー様ご自身の判断と費用負担で行います。だからこそ「いつ・いくらで・誰に頼むか」で収益性が大きく変わります。修繕の時期と範囲を計画しておくと、次の3つを守りやすくなります。

  • 建物の防水性能:外壁のひび割れやシーリングの切れ、屋上防水の劣化は、雨水の入り口になります。早めに手を入れるほど、補修の範囲と費用を小さく抑えられます。
  • 入居者に選ばれる外観と共用部:外観の色あせやサビ、共用部の傷みは、内見のときの印象に表れます。外装と共用部を整えておくことが、入居付けの土台になります。
  • 資産としての説明材料:いつ・どこを・どの仕様で直したかを書類で残しておくと、売却や借り換えのときに建物の状態を説明しやすくなります。
室内天井・壁の雨漏りによるシミ・クロス剥がれの一例
雨漏りによる室内のシミ・クロス剥がれ(別案件の一例)。屋上や外壁の段階で雨水を止めておくと、室内の補修や入居者対応まで広げずに済みます。

つまり大規模修繕は「出費」ではなく、家賃収入と資産価値を守るための投資です。

こんな劣化サインは大規模修繕のタイミング(別案件の施工写真)

外壁のチョーキング|手でこすると白い粉が付く劣化サインの一例
チョーキング(手でこすると白い粉)
外壁のひび割れ(クラック)の劣化サインの一例
外壁のひび割れ(クラック)
シーリング(目地)の切れ・ひび割れの劣化サインの一例
シーリング(目地)の切れ・ひび割れ
外壁塗膜の膨れ・浮きの劣化サインの一例
塗膜の膨れ・浮き
屋上・バルコニー防水の膨れの劣化サインの一例
屋上・バルコニー防水の膨れ
鉄部(配管金具)のサビ・塗膜劣化の劣化サインの一例
鉄部(配管金具・手すり等)のサビ

※劣化の状態を示す別案件の施工写真です(本記事の実録案件とは別物件)。

2. 大規模修繕の周期・タイミングの目安

一般に大規模修繕の周期は12〜15年が目安とされますが、賃貸物件では下記の劣化サインが出たら築年数に関わらず点検をおすすめします。

  • 外壁のチョーキング(触ると白い粉)・ひび割れ・膨れ
  • シーリング(目地)の痩せ・切れ・剥離
  • 屋上・バルコニー防水の膨れ・破れ・水たまり
  • 鉄部(階段・手すり・庇)のサビ・塗膜剥がれ
  • 天井・室内のシミ(雨漏りの初期サイン)

八王子市は寒暖差・降雨・台風の影響を受けやすいエリアです。まずは無料の写真付き診断で現状を把握することが、無駄な出費を防ぐ第一歩になります。(診断の調査項目と報告書のサンプルは巧正の無料建物診断(調査項目・流れ・報告書サンプル))

劣化サインが出てから慌てないために、賃貸物件の修繕周期をあらかじめ表にしておく方法は「賃貸アパート・ビルの長期修繕計画|オーナーが自分で作る手順と修繕周期」で説明しています。

3. 費用相場と内訳

賃貸物件の大規模修繕費用は「規模・階数・劣化状況・工種」で大きく変わります。あくまで目安ですが、外壁塗装・シーリング・防水・足場を一括で行う場合の概算は次のとおりです。

建物タイプ規模の目安費用の目安(税込)
木造アパート6〜12戸・2階建て約300〜800万円
軽量鉄骨アパート8〜16戸約500〜1,200万円
RC造・S造のマンション・ビル3階建て〜中規模約585万円〜(S造3階建て商業ビルの実例。戸数・階数・工事範囲で大きく変動)

費用の主な内訳は「①足場 ②外壁塗装 ③シーリング(目地)④防水(屋上・バルコニー)⑤鉄部・付帯部 ⑥諸経費」です。足場は全体の1〜2割を占めるため、外壁・防水・シーリングを一度の足場でまとめて行うのが、長い目で見て最も割安になります。

4. 構造・戸数別の総額目安と、公開している実例

上の相場表をもう一段くわしくすると、アパート・賃貸マンションの総額は「構造と階数」「戸数(外壁面積)」「今回の工事範囲(外壁だけか、屋根・防水・シーリングまで含めるか)」の3つで決まります。次の図解は、当社が公開している実例と一般的な相場をあわせて整理したものです。

八王子のアパート・賃貸マンション大規模修繕|木造・軽量鉄骨・RC造の構造別に工事範囲ごとの総額目安を整理した図解
図解:構造・戸数・工事範囲で見る総額の目安(当社の公開実例と一般的な相場をもとにした整理。建物の状態で変わります)
実例(公開済み)建物工事範囲工期総額掲載
八王子市 メゾネット集合住宅B棟木造2階建て・2世帯外壁(ジョリパット専用改修)・軒天・付帯部約3週間98万円〜2024年
八王子市川口町 メゾネットアパートA棟木造2階建て・2世帯(モルタル)外壁・付帯部・鉄部塗装約4週間100万円〜2024年
八王子市館町 アパートアパート(外壁意匠仕上げ)外壁・付帯部塗装(屋根なし)3週間100万円〜2026年
八王子市 4世帯アパート2階建て・4世帯(サイディング)外壁・屋根・付帯部塗装約4週間120万円〜2024年
八王子市片倉町 アパートアパート(サイディング)外壁(意匠仕上げ)・屋根・付帯部塗装約1か月120万円〜2024年
八王子市 4階建て店舗併用ビル4階建て・店舗併用ビル(1階店舗・2階以上は住戸、ALC外壁)外壁塗装・コーキング・屋上のトップコート・バルコニーと共用廊下の防水・鉄部・雨どい・階段の塩ビシート張替・足場2025年11月10日〜12月27日450万円(税込)2026年
八王子市 収益ビル(本記事の実録)S造(ALC外壁)3階建て・商業ビル外壁・シーリング・屋上とバルコニー・階段の防水・足場—585万円(契約額・税込)本記事
八王子市 RCマンションRC造マンション外壁・鉄部塗装・屋上防水(通気緩衝)・シーリング打替え・塩ビシート張替え—835万円〜2023年
八王子市 3階建・12戸 RCマンションRC造3階建て・12戸・築約45年外壁塗装・屋根塗装・屋上防水・鉄部塗装・シーリング打ち替え約2か月約1,200万円(税込)2026年

※いずれも当社が元請けとして施工した実例で、各ページで写真を公開しています。「〜」付きの金額は各事例ページに掲載している施工当時の目安額で、建物の規模・劣化状況・足場条件で変わります。㎡あたりの単価は公開していません。

※(税込)は事例ページに掲載した金額です。

費用を公開していない事例として、八王子の12戸木造アパート(外壁塗装と共用廊下の防水)と軽量鉄骨6戸アパート(折板屋根・外壁・鉄部の塗装)も掲載しています。

実例から読み取れるのは2つです。1つ目は、2階建て・2〜4世帯の木造アパートは、外壁と付帯部の塗り替えだけなら100万円前後、屋根まで含めても120万円台からという水準です。2つ目は、鉄骨造・RC造の3階建て以上になると防水・シーリング・鉄部が加わり、当社の実例では3階建てのS造ビル(ALC外壁)で585万円、RC造マンションで835万円〜と総額が一段上がることです。2〜4世帯から10戸程度までの一棟賃貸なら、数百万円台で収まる例が多いというのが実感です。

6〜12戸の木造・軽量鉄骨アパートで外壁・屋根・シーリング・バルコニー防水までまとめて行う場合は、一般的な相場で300〜800万円の幅に入ることが多く、当社の実例では、この幅を分けるのは戸数より「屋根と防水を今回やるかどうか」でした。20戸を超えるマンションの考え方は「マンション大規模修繕の戸数別費用(20〜30戸・50戸超)」で戸あたりの相場を整理しています。

大規模修繕を待たずに屋上防水だけを先行して行う場合の総額は、「小規模マンション・アパートの屋上防水の面積別費用」で面積帯ごとに整理しています。

5. 工事の内容と流れ(工期の目安)

巧正では、賃貸物件の大規模修繕を元請け一貫体制(調査から施工・保証まで一括監理)で進めます。おおまかな流れは次の通りです。

  1. 無料の写真付き診断・現地調査(劣化状況・数量の確認、必要に応じてロープアクセス打診調査)
  2. お見積り・工程のご提案(工種ごとに内訳を開示)
  3. ご契約・近隣/入居者への挨拶
  4. 足場架設 → 高圧洗浄 → 下地補修 → シーリング → 外壁塗装 → 防水 → 鉄部・付帯部
  5. 完了検査・お引渡し → 保証書発行 → アフター点検

工期の目安は、木造アパートで約2〜4週間、20戸までの小規模なマンション・ビルで約1.5〜2か月、20〜50戸の中規模で約3〜4か月(規模・天候により変動)です。

工事の流れ(本事例の施工写真)

外壁の高圧洗浄|八王子市内・収益ビルの大規模修繕
①高圧洗浄で旧塗膜・汚れを除去
外壁の下塗り(足場・メッシュ・養生を設置)|八王子市内のビル
②下塗り(足場・メッシュ・養生を設置して施工)
外壁塗装(ローラーで塗り重ね)|八王子市内のビル
③外壁塗装(ローラーで塗り重ね)

6. 【実録】八王子市内・収益ビルの大規模修繕(費用内訳を公開)

巧正が実際に手がけた、八王子市内(八王子駅周辺エリア)の収益ビル(オーナー様所有)の大規模修繕事例です。外壁・シーリング・防水・足場を一度の足場でまとめて実施しました。

建物・工事概要

  • エリア:八王子市内・八王子駅周辺エリアの収益ビル ※オーナー様のご意向によりビル名・詳細住所は非公開
  • 工種:外壁塗装/コーキング(シーリング)/防水(屋上・3Fバルコニー・階段)/足場/解体・配管交換ほか
  • 契約総額:税込 585万円
工種内容金額(税抜)
外壁塗装関西ペイント ダイナミックTOP1,221,390円
コーキング目地シーリング打ち替え784,200円
防水屋上・3Fバルコニー・階段(ウレタン)※メーカー10年保証1,865,401円
足場ビケ足場+メッシュシート988,125円
諸経費-224,000円
追加工事解体・塩ビ竪樋の交換235,100円

保証:外壁=当社保証/屋上・バルコニー防水=メーカー10年保証

巧正が対応したポイント

  • 外壁・シーリング・防水を一度の足場で同時施工し、足場費用の二重負担を回避
  • 劣化していた竪樋(配管)を交換し、雨水の排水トラブルを未然に防止
  • 工種ごとに内訳を明示したお見積りで、オーナー様が費用の妥当性を判断できる形に

施工前 → 施工後(屋上・外階段)

屋上防水の施工前(既存防水層の劣化)|八王子市内のビル
屋上:施工前(既存防水層の劣化)
屋上防水の完成(ウレタン・トップコート仕上げ)|八王子市内のビル
屋上:施工後(ウレタン防水仕上げ)
外階段の施工前(サビ・塗膜劣化)|八王子市内のビル
外階段:施工前(サビ・塗膜劣化)
外階段の施工後(防水・塗装仕上げ完了)|八王子市内のビル
外階段:施工後(防水・塗装仕上げ)

※写真は本事例(八王子市内・収益ビル)の実際の施工。詳しい防水工程は関連施工事例をご覧ください。

外壁塗装の様子(本事例)

塗り替え後の外壁外観|八王子市内・収益ビル
塗り替え後の外壁外観
外壁の塗り重ね工程(下塗り→上塗り)|八王子市内のビル
塗り重ね(下塗り→上塗り)
外壁の細部・端部の手仕上げ|八王子市内のビル
細部・端部はていねいに手作業で仕上げ

屋上・階段の防水(通気緩衝工法)の全工程は、写真付きの施工事例「八王子のビル屋上防水 施工事例|通気緩衝工法の全工程を写真で解説」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

実際の工事範囲と金額は、建物の状態を見るまで決まりません。巧正ではオーナー様向けの無料建物診断とお見積りを行っており、劣化状況を写真付きの報告書にしてお渡ししています。

7. 賃貸オーナーが大規模修繕で失敗しないための業者選び

  • 元請け一貫体制か:調査・施工・保証を一括で担う会社は、責任の所在が明確でトラブル時の対応も早いです。
  • 見積りの内訳が明示されているか:「一式」だけの見積りは比較も判断もできません。工種ごとに数量と内訳金額が書かれているかを確認しましょう。
  • 保証・保険が具体的か:巧正の場合、屋上防水 平場10年・立ち上がり5年/外壁塗膜 最長10年保証。JIO大規模修繕かし保険・リフォームかし保険については、当社が登録事業者です。保険は工事ごとに申し込むもので、保険の名義は当社(登録事業者)、保険料のご負担と保険付保証明書の受け取りはオーナー様です。当社は申込手続きと第三者検査の受け入れに対応します。
  • 建設業許可・資格:巧正は東京都知事許可(般-7)第161006号、外壁診断士・2級建築施工管理技士補(仕上げ)が在籍しています。

見積を取る前に確認しておきたい4項目

見積を依頼する前に、既存の防水の種類・資金の目安・入居者への告知を誰が出すか・借入を使うかの4つを確認しておくと、見積の条件をそろえやすくなります。

  1. 既存の防水の種類:既存の防水層の種類と状態で、選べる工法が変わります。当社の事例でも、既存がシート防水の屋上で、撤去せずにトップコートを塗り替えた例(4階建て店舗併用ビル)と、ウレタン塗膜防水(密着工法)でかぶせた例(次の章の【実録】の賃貸マンション)があります。
  2. 資金の目安:修繕費を積立・手元資金・借入のどれから出すかを先に決めます。構造・戸数別の費用と積立の考え方は「アパート大規模修繕の費用相場|木造・鉄骨・RC造×戸数別」で整理しています。
  3. 入居者への告知を誰が出すか:オーナー様の名前で出すか、管理会社様の名前で出すかと、工事中の問い合わせをどこで受けるかを決めておくと、告知文と工程表を最初からその形で作れます。
  4. 借入を使うか:使う場合は、工種ごとの見積書と工程表をそろえて金融機関にご相談ください。

取引先金融機関のご紹介もできます(融資の可否・条件は金融機関の審査によります)。

8. 管理会社に任せている場合の進め方

賃貸物件のオーナー様の多くは、日常の管理を賃貸管理会社に委託しています。大規模修繕の見積も管理会社経由で取る形が一般的で、それ自体は問題ありません。確認していただきたいのは次の3点です。

  • 施工会社の内訳書が見られるか:管理会社がまとめた見積書だけでなく、実際に施工する会社の工種別の内訳(数量・単価・金額)を見せてもらえるかを確認します。内訳が見えないと、本記事の相場表や実例と比較できません。
  • 契約の相手方と保証書の発行者は誰か:管理会社が元請けとして契約する形と、施工会社と直接契約する形があります。どちらが契約の相手方で、保証書を誰が発行し、アフター点検を誰が行うかを契約前に確認してください。
  • オーナー様が直接相談できるかは契約による:一般的な管理委託契約では、修繕の発注先までは縛っていないことが多く、管理会社経由の見積と並行してオーナー様が直接セカンドオピニオンを取ることはできます。ただしサブリース(一括借り上げ)など、修繕の実施者が契約で決まっている形もあるので、管理委託契約書の修繕に関する条項を先にご確認ください。当社では管理会社様からのご相談も、オーナー様からの直接のご相談も承っています。

管理会社の担当者にとっても、内訳と工程表がそろった見積は入居者への説明がしやすくなります。他社見積の妥当性を確認したい場合は「大規模修繕の無料セカンドオピニオン」をご利用ください。分譲マンションで管理会社が中心になって進める場合の2つの形と確認点は「責任施工方式・設計監理方式・管理会社主導|大規模修繕の発注方式の違い」で整理しています。

【実録】窓口は管理会社、発注はオーナー様

巧正株式会社(八王子市)が2026年に屋上防水を行った八王子市内の賃貸マンション(3階建・15戸・築約30年・入居中)は、オーナー様が法人で、ご相談の窓口は賃貸管理会社様、工法の選択とご発注はオーナー様でした。ご相談から完了までの流れは次のとおりです。

時期(2026年)内容
7月はじめ管理会社様から、エレベーター上部の漏水についてご相談。お手元の資料と写真をもとに、ウレタン塗膜防水の密着工法と通気緩衝工法の2案の見積と提案書をお出ししました
7月23日屋上の現地調査。既存のゴムシート防水を撤去せずにかぶせられると判断し、密着工法のプランを現地の条件に合わせて改訂。改修用ドレンは5か所と確認しました
7月31日改訂したプランを含めてオーナー様にご検討いただき、密着工法のプランでご発注
着工前入居者の皆さまへ、工事案内と、音・臭いが出やすい日に印を付けた工程表を配布
9月28日着工(当初の9月17日から雨天で変更)
10月8日雨で完了日が10月7日から10月10日に延びたため、「工事日程変更のお知らせ」と変更版の工程表を再配布
10月中旬完了(完工写真は10月14日に撮影)

この案件では、提案書で2つの工法を比較表に並べ、現地調査の結果で改訂したプランをお出ししました。管理会社様からのご相談でも、オーナー様が判断に使う比較と根拠は書類にしてお渡しします。工程と写真は「八王子の賃貸マンション屋上防水 施工事例|密着工法でかぶせ改修の全工程」に、管理会社様からのご依頼の形は「管理会社・不動産会社・建設会社・設計事務所の方へ」にまとめています。

9. 入居者・テナントの稼働を止めない工程

賃貸物件では「工事中も生活・営業が続く」ことへの配慮が欠かせません。巧正では、事前の入居者・近隣挨拶、足場・メッシュシートによる飛散防止、騒音や臭気の少ない工程・時間帯の調整、動線の確保などで、空室・退去リスクを抑えながら工事を進めます。

八王子のアパート大規模修繕|入居者への告知から工事完了までのタイムラインと、ベランダ・駐車場・内見の対応を整理した図解
図解:入居者がいる状態での工程と告知の流れ(当社の運用)

当社の運用では、入居者への告知は工事の2週間前に書面でお配りし、前日に再度ご案内します。告知文には、工期、作業時間(8時〜17時)、足場の設置日、騒音・臭気が出る工程の日程、ベランダが使えない期間、洗濯物の扱い、緊急連絡先を入れるのが一般的で、配布前にオーナー様・管理会社様に内容を確認いただきます。

  • ベランダ・バルコニー:防水の塗り重ねと硬化で、数日間は物を置けない期間が出ます。工程表で区画ごとの日程をお知らせします。
  • 洗濯物:足場のメッシュシートで日当たりが落ちる期間と、塗装・防水で外干しをお控えいただく日を書面で先に伝えます。
  • 駐車場・自転車置き場:足場の建地と資材の仮置き場所を工程表に入れ、使えない区画と期間を明示します。
  • 内見への対応:工事中に内見が入る場合、足場があっても室内は見られます。ご希望があれば、色見本や施工中の写真を管理会社様にお渡しします。
  • 工事中の問い合わせ窓口:入居者からのご連絡をどこで受けるか(当社・管理会社様・オーナー様)を契約時に決め、告知文に明記します。

工事中に新規の募集を止める必要はありません。外観が整った直後は募集写真の撮り直しに向くので、完工時の写真はご希望があればお渡しします。

工事中の家賃や入居者の協力は、法律でどう決まっている?

民法では、建物の保存に必要な工事を入居者は拒めません。一方で、部屋の一部が使えなくなったときは、使えない割合に応じて家賃が当然に減額されます。

条文(民法)定めていること
606条1項賃貸人(オーナー様)は、賃貸物の使用・収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人(入居者)の責めに帰すべき事由で修繕が必要になったときは除く
606条2項賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人はこれを拒めない
607条賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合に、そのために賃借人が借りた目的を達せなくなるときは、賃借人は契約を解除できる
611条1項賃借物の一部が、賃借人の責めに帰することができない事由で使用・収益できなくなったときは、賃料はその部分の割合に応じて減額される。2020年4月1日施行の改正民法で、それまでの「減額を請求することができる」から「減額される」に改められた

工事の期間中にベランダなどが使えなくなることが「使用・収益できない」に当たるかは、契約と個別の事情で変わるため、管理会社や弁護士へご確認ください。当社は工程表と告知文で、使えない期間と範囲を具体的にしてお渡しします。

出典:東京都住宅政策本部「賃貸物件の修繕及び原状回復に関するトラブルについて」(PDF)、賃貸借トラブルに係る相談対応研究会『民間賃貸住宅に関する相談対応事例集~賃借物の一部使用不能による賃料の減額等について~』(平成30年3月・国土交通省ウェブサイト掲載、PDF)。

10. 補助金・助成金・税務の考え方

八王子市の住宅関連の補助金は主に居住者向けで、賃貸事業用は対象外となる場合が多いです(最新の要件は必ずご確認ください)。一方、賃貸物件の修繕費は必要経費または資本的支出として計上でき、原状回復に近い塗装・防水は経費、機能向上を伴う改修は減価償却の対象になるのが一般的です。詳細は税理士にご相談ください。

予算の都合で今回の工事範囲を絞る場合は、工種ではなく足場から逆算して決めます。判断のしかたは「中規模修繕とは|賃貸マンション・アパートで工事範囲を絞る判断」で整理しています。

修繕費になるか資本的支出になるかは、国税庁の通達に判定の流れが示されています(所得税基本通達37-10〜37-14、法人税基本通達7-8-1〜7-8-5)。一般的な整理は次のとおりです。

判定の順番内容扱い
①1件の支出が20万円未満修繕費
②おおむね3年以内の周期で行う工事修繕費
③価値の向上・耐用年数の延長が明らか(グレードの大幅な向上、構造の変更など)資本的支出
④原状回復・維持管理が明らか(同等の塗料での塗り替え、既存工法での防水のやり直しなど)修繕費
⑤①〜④で判定できず、60万円未満または前年末(法人は前期末)の取得価額のおおむね10%以下修繕費(形式基準)
⑥それでも判定できない場合に、継続適用を選んだとき支出額の30%と前年末(前期末)取得価額の10%の少ない方を修繕費、残りを資本的支出

外壁塗装や屋上防水のやり直しは④の「原状回復」に当たるケースが多い一方、モルタル外壁をタイル張りに変える、防水の工法を上位のものに変えるといった工事は③の資本的支出になりやすい、というのが一般的な整理です。ただし個別の判定は建物の取得価額や過去の処理との関係で変わるため、必ず税理士にご確認ください。当社の見積書は工種ごとに内訳を分けているので、税理士への説明資料としてそのまま使えます。

出典:国税庁 タックスアンサー No.1379 修繕費とならないものの判定(個人)、No.5402 修繕費とならないものの判定(法人)。

11. よくあるご質問(FAQ)

Q. 入居者がいても工事できますか?

A. できます。足場・メッシュシートで飛散を防ぎ、挨拶・工程調整で生活や営業への影響を最小限に抑えて進めます。

Q. 外壁塗装だけ・防水だけの部分依頼は可能ですか?

A. 可能です。ただし足場を要する工事は、外壁・シーリング・防水をまとめて行うと足場費用を一度で済ませられ、トータルで割安になります。

Q. 見積りは無料ですか?

A. 無料です。写真付きの現地診断とあわせて、工種ごとに内訳を明示したお見積りをお出しします。

Q. 費用の目安を先に知りたいのですが。

A. 建物の規模・階数・劣化状況で変わります。本記事の相場表と実例(総額585万円の内訳)を目安に、正確な金額は無料診断でお出しします。

Q. 保証はどうなっていますか?

A. 屋上防水は平場10年・立ち上がり5年、外壁塗膜は最長10年保証です。JIOの大規模修繕かし保険・リフォームかし保険は工事ごとに申し込む保険で、名義は当社(登録事業者)、保険料のご負担はオーナー様です。当社は申込手続きと第三者検査の受け入れに対応します。

Q. 八王子市外でも対応できますか?

A. 八王子市を拠点に、東京・神奈川・埼玉・山梨まで対応しています。

Q. 木造2階建てのアパート(6戸)だと、いくらくらいですか?

A. 外壁と付帯部の塗り替えだけなら、当社の実例(2〜4世帯)で100万円前後からです。6〜12戸で屋根・シーリング・バルコニー防水まで含めると、一般的な相場は300〜800万円の幅に入ることが多く、今回どこまでやるかで決まります。現地調査のうえ、工事範囲を分けた見積をお出しします。

Q. 入居者への告知文は用意してもらえますか?

A. はい。工期・作業時間・騒音や臭気の出る日・ベランダが使えない期間・緊急連絡先を入れた告知文を、オーナー様・管理会社様に内容を確認いただいたうえで、工事の2週間前に配布します。前日にも再度ご案内します。

Q. 管理会社を通さずに直接相談してもよいですか?

A. 管理委託契約の修繕に関する条項によりますが、一般的な管理委託では発注先まで縛っていないことが多く、管理会社経由の見積と並行して直接のご相談やセカンドオピニオンにも対応しています。サブリースの場合は契約書をご確認ください。工事に入る際は、管理会社様と入居者対応の役割分担を決めて進めます。

Q. 工事中は家賃を下げる必要がありますか?

A. 民法611条1項では、入居者の責任によらず部屋の一部が使えなくなったときは、使えない割合に応じて家賃が当然に減額されます。工事がこれに当たるかは契約と個別の事情で変わるため、管理会社や弁護士へご確認ください。当社は工程表と告知文で、使えない期間と範囲を具体的にしてお渡しします。

12. 八王子・多摩の賃貸マンション・アパート大規模修繕は巧正へ

巧正株式会社は、累計1,000件超の施工実績を持つ、外壁・防水・大規模修繕の専門会社です。賃貸オーナー様の「収益と資産を守る修繕」を、元請け一貫体制で調査から保証まで一括対応します。


執筆・監修:巧正株式会社 施工管理部(外壁診断士・2級建築施工管理技士補(仕上げ)在籍)|累計1,000件超の施工実績
建設業許可:東京都知事許可(般-7)第161006号

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