八王子の賃貸マンション屋上防水 施工事例|密着工法でかぶせ改修の全工程
八王子市内の賃貸マンションで、屋上防水の改修工事を行いました。きっかけはエレベーター上部の漏水。既存のゴムシート防水を撤去せず、ウレタン塗膜防水(密着工法)でかぶせる改修を、改修用ドレン5か所の取付とあわせて行っています。※建物名・所在地は掲載していません。
この記事では、現地調査で見た屋上の状態、密着工法と通気緩衝工法の2案をどう提案しどう決まったか、アルミ笠木の脱着から完工までの工程、そして入居者がいる建物での工事の進め方を、現場写真とともにまとめます。
工事概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建物 | 八王子市内の賃貸マンション(入居中)。オーナー様は法人、窓口は賃貸管理会社様 |
| 既存の防水 | ゴムシート防水。提案時の写真で一部のはがれ、現地調査で苔・土の堆積、水たまりの跡、ドレン周りの堆積を確認 |
| 工事範囲 | 廊下側の屋上(エレベーター上部・廊下面)のみ。ベランダ側の屋上は対象外 |
| 工事内容 | 既存ゴムシートを撤去せず、ウレタン塗膜防水・密着工法でかぶせ改修(見積書の工法記号はX-2)。平場27.2㎡、立上り・天端43m。改修用ドレン5か所。アルミ笠木27.8mの脱着、コンクリートブロック板15.1mの移動・復旧 |
| 主な工程 | 高圧洗浄/アルミ笠木の脱着/下地補修/立上り・天端と平場のウレタン塗膜防水(プライマー・ウレタン2層・トップコート)/改修用ドレン取付/ブロック板の移動・復旧/清掃 |
| 工期 | 2026年9月28日着工(雨天により当初予定から延期)、10月中旬に完了。作業時間8:30〜17:00、日曜・祝日は休工 |
| 保証 | 防水材メーカー保証5年(見積書に記載) |
| 施工体制 | 巧正が元請けとして工程・品質・居住者対応を管理。防水工事は防水専門の協力会社と組んで施工、高圧洗浄は巧正が実施 |
ご相談のきっかけと現地調査
エレベーター上部の漏水から始まった
ご相談は、建物を管理する賃貸管理会社様からでした。エレベーター上部で漏水が起きており、その直上にあたる屋上の防水を改修したい、という内容です。この建物の屋上は、廊下側(エレベーター上部と廊下面)とベランダ側に分かれています。
2026年7月はじめに、お手元の資料と写真をもとに2つの工法の見積と提案書をお出しし、7月23日に屋上へ上がって現地調査を行いました。工法と数量は、この現地調査で下地の状態を確認してから確定しています。
現地調査で見た屋上の状態
既存の防水はゴムシート防水でした。屋上に上がると、次の状態が見えました。
- 平場のシート表面に、土や苔の堆積と、水たまりの跡
- 瓦屋根に沿った細長い部分には、苔がまとまって育っている箇所
- ドレン(排水口)の周りに土と苔がたまり、ストレーナー(ごみ除けの網)が埋まりかけている箇所
- 立上りの入隅や天端付近の汚れ




改修範囲を「廊下側の屋上」に絞った
今回の改修範囲は、漏水が起きているエレベーター上部とつながる廊下側の屋上に絞りました。ベランダ側の屋上は今回の対象外です。
密着工法と通気緩衝工法、2案の提案と決まった経緯
提案書の段階では2案を並べて比較
最初の提案書では、ウレタン塗膜防水の「密着工法」と「通気緩衝工法」の2案を、断面のしくみと比較表で並べてお出ししました。提案書に載せた比較は次のとおりです。
| 工法 | コスト | 工期 | 膨れへの強さ | 提案書で「向く」とした箇所 |
|---|---|---|---|---|
| 密着工法(今回採用) | 安い | 短い | 下地の乾燥が必須 | 立上り・小面積・バルコニー |
| 通気緩衝工法 | やや高い | やや長い | 脱気筒で下地の湿気を排出 | 屋上の広い平場・湿気のある下地・改修 |
提案書の時点では、お手元の写真で既存ゴムシートに一部はがれが見えていたため、「はがれた下地に密着工法は不向き」として通気緩衝工法をおすすめし、密着工法は下地が健全な場合に限るとお伝えしていました。あわせて、はがれが広範なら既存ゴムシートの全撤去・処分が別途必要になることも明記しています。
現地調査で、既存ゴムシートを撤去せず「かぶせ」られると判断
7月23日の現地調査で下地を直接確認した結果、既存ゴムシート防水は撤去せず「かぶせ工法」で施工できると判断しました(見積書の備考に記載)。これを受けて密着工法プランを現地の条件に合わせて改訂しています。改修用ドレンの数も、この現地調査で5か所と確認しました。
改訂した密着工法プランを含めてオーナー様にご検討いただき、7月31日に密着工法プランでご発注をいただきました。
この案件で確認・実施したこと
- 現地調査で、既存ゴムシートを撤去せず「かぶせ工法」で施工できると判断した
- 欠損・浮きは下地補修(ポリマーセメント系またはコーキング)で処理する項目を見積に入れた
- ドレンは既存のまま使わず、改修用ドレンを5か所すべてに取り付けた
- 雨天時は作業を順延し、予備日で調整すると工程表に明記した(実際に着工と完了が雨で延びています)
既存のシート防水の上にウレタン防水を重ねられる条件や、撤去する場合との違いはシート防水の上にウレタン防水できる?工法・注意点・費用で、小さな屋上で密着工法と通気緩衝工法をどう選ぶかは小規模マンション・アパートの屋上防水|面積別の費用相場と工法の選び方で解説しています。通気緩衝工法を採用した屋上の事例は八王子のビル屋上防水 施工事例(通気緩衝工法)をご覧ください。
工事項目と数量
見積書の工事項目と数量は次のとおりです。工事金額は掲載していません。
| 項目 | 規格・摘要 | 数量 |
|---|---|---|
| アルミ笠木 脱着 | 既存アルミ笠木の一時取り外しと復旧 | 27.8m |
| 下地補修 | ポリマーセメント系またはコーキングで欠損・浮きを補修 | 一式 |
| 高圧洗浄 | 水圧15MPa、全面の水洗い清掃 | 一式 |
| 立上り・天端 ウレタン塗膜防水 | 密着工法(X-2) | 43m |
| 平場 ウレタン塗膜防水 | 密着工法(X-2) | 27.2㎡ |
| 改修用ドレン取付 | ストレーナー共 | 5か所 |
| コンクリートブロック板 移動・復旧 | 既存ブロック板の移動と復旧 | 15.1m |
| 資材搬入出 | 揚重・搬入出 | 一式 |
「X-2」は見積書に記載した密着工法の工法記号です。見積書を工事項目ごとに分けて書く理由や、各項目の見方はマンション屋上防水工事の費用相場|工法の選び方と見積の見方にまとめています。
施工の全工程を現場写真で解説
工種ごとに写真をまとめて掲載しています(実際の作業は部位ごとに前後して進めています)。ウレタン塗膜防水は立上り・天端と平場のそれぞれを、プライマー、ウレタン2層、トップコートの4段階で仕上げました。
工程1:高圧洗浄
水圧15MPaの高圧洗浄機で、屋上全面を水洗いしました。この工程は巧正が自ら行っています。土や苔が厚くたまっていたドレン周りと立上り際は、スクレーパーで削り落としています。


工程2:アルミ笠木の脱着
立上りの天端まで防水層を回すため、既存のアルミ笠木27.8mを一時取り外しました。外した笠木は捨てずに保管し、防水後に同じ笠木を元の位置に復旧しています。


工程3:下地補修
既存ゴムシートの欠損・浮き・入隅のすき間を、ポリマーセメント系の材料またはコーキングで補修しました。かぶせ工法では、この下地補修が新しい防水層の土台になります。立上りと平場の取り合い部や、立上りの入隅を中心に処理しています。



工程4:立上り・天端のウレタン塗膜防水
立上りと天端(笠木を外した上面)に、プライマー、ウレタン2層、トップコートを塗りました。写真の青色がウレタン層で、天端まで連続して塗っているのが分かります。



ウレタン層の上に、トップコート(グレー)を塗りました。トップコートはウレタン層の表面を保護する仕上げの層です。

工程5:平場のウレタン塗膜防水
平場27.2㎡も、プライマー、ウレタン2層、トップコートの4段階です。既存のゴムシートの上に直接ウレタンを密着させる工法なので、下地補修と洗浄を済ませた面に塗り重ねていきます。





工程6:改修用ドレンの取付(5か所)
現地調査で確認した5か所のドレンすべてに、改修用ドレンを取り付けました。既存のストレーナーを外し、つば(鍔)の付いた改修用ドレンを既存の排水口に差し込み、つばの上からウレタンを塗って防水層と一体にします。仕上げに新しいストレーナーを載せます。改修用ドレンの構造や見積書での見方は改修ドレン(改修用ドレン)とは|設置される部位と見積書での見方で解説しています。




工程7:コンクリートブロック板の移動と復旧
屋上に置かれていた既存のコンクリートブロック板(15.1m分)は、いったん移動し、防水後に復旧しました。見積書では「コンクリートブロック板 移動・復旧」として1項目で計上しています。

工程8:清掃・完了
屋上を清掃し、資材を搬出して完了です。当初は10月7日完了の予定でしたが、雨天で工程が延び、10月中旬の完了となりました。完工写真は10月14日に撮影しています。


施工前と施工後を比べる
施工前と施工後の写真を並べました。平場と細長い部分は同じ場所、ドレンと入隅は同じ部位の施工前と施工後です。施工前は着工時(9月29日・作業前)または現地調査(7月23日)の写真、施工後は10月14日の完工写真です。
エレベーター上部の平場(同じ場所)


瓦屋根に沿った廊下側の細長い屋上(同じ場所)


ドレン(排水口)(同じ部位)


立上りの入隅(同じ部位)


入居中の賃貸マンションでの工事の進め方
この建物は入居中の賃貸マンションです。屋上の工事でも、資材の搬入出や復旧作業の音、ウレタンの臭いは入居者の皆さまの生活に関わります。今回は次の形で進めました。
- 工事案内の配布:着工前に、工事の内容と期間をまとめた工事案内を入居者の皆さまに配布
- 工程表の配布:日ごとの作業内容に加えて、「音が出やすい作業」「臭いが出やすい作業」の日を印で示した工程表を配布
- 作業時間と休工日:作業は8:30〜17:00、日曜・祝日は休工
- 雨天時のルール:雨天は作業を順延し、予備日(2日分)で調整。大きく変わる場合は改めてお知らせすると工程表に明記
- 日程変更のお知らせ:雨で完了日が10月7日から10月10日に延びた際、10月8日に「工事日程変更のお知らせ」と変更版の工程表を再配布
着工日も、当初の9月17日から雨天で9月28日に変更しています。密着工法は下地の乾燥が前提なので、雨の日に無理に進めず、予定を動かしてその都度お知らせする、という運びにしました。入居者対応を含めて元請けとして一括で管理するのが、巧正の進め方です。賃貸マンション・アパートの修繕を計画する際の進め方はアパート・賃貸マンションの大規模修繕|費用相場と進め方もご参照ください。
保証とアフターフォロー
保証の内容と年数は、工事ごとに見積書でお伝えしています。この工事は、見積書に記載のとおり「防水材メーカー保証5年」です。巧正の屋上防水の標準的な保証範囲と点検については、巧正の工事保証とアフター点検をご覧ください。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 既存のゴムシート防水は撤去しなくてよいのですか?
A. 既存シートの状態によります。今回は現地調査で下地を確認し、撤去せず「かぶせ工法」で施工できると判断しました。はがれが広範な場合は、既存ゴムシートの全撤去・処分が別途必要になることを提案書の段階でお伝えしています。
Q2. 密着工法と通気緩衝工法は、どう選べばよいですか?
A. 今回は2案の見積と提案書をお出しし、提案時は通気緩衝工法をおすすめしつつ、密着工法は下地が健全な場合に限るとご説明しました。現地調査で下地を確認したうえで、オーナー様が密着工法プランを選ばれています。選び方の考え方は小規模マンション・アパートの屋上防水|工法の選び方を、通気緩衝工法の事例は八王子のビル屋上防水 施工事例をご覧ください。
Q3. 工事中、入居者は普段どおり生活できますか?
A. 音が出やすい日(笠木・ブロック板の復旧など)と臭いが出やすい日(ウレタン塗布など)は、工程表に印を付けて事前にお知らせしました。作業は8:30〜17:00、日曜・祝日は休工です。
Q4. 工期はどのくらいかかりましたか?
A. 2026年9月28日に着工し、10月中旬に完了しました。当初は10日間ほどの予定でしたが、雨天で作業を順延した分だけ延びています。密着工法は下地の乾燥が必須のため、天候で工期が動くことを前提に予備日を設けています。
Q5. 改修用ドレンは何のために付けるのですか?
A. 排水口と新しい防水層のつなぎ目を一体にするためです。つばの上からウレタンを塗ることで、防水層と排水口が一体になります。今回は現地調査で確認した5か所すべてに取り付けました。詳しくは改修ドレン(改修用ドレン)とはをご覧ください。
Q6. 費用はいくらでしたか?
A. この工事の金額は掲載していません。工事項目と数量は本文の表のとおりです。マンション屋上防水の費用の考え方はマンション屋上防水工事の費用相場を、今回のような小さな屋上の目安は小規模マンション・アパートの屋上防水の費用相場をご参照ください。個別の建物については、無料の現地調査のうえ工事項目ごとに分けた見積書をお出しします。
Q7. 保証はどうなっていますか?
A. 保証の内容と年数は工事ごとに見積書でお伝えしており、この工事は防水材メーカー保証5年です。巧正の標準的な保証と点検の範囲は保証ページにまとめています。
屋上の状態、無料で現地調査します
賃貸マンション・アパート・ビルの屋上防水は、現地調査のうえ、工事項目ごとに分けた見積書と工法のご提案をお出しします。入居中の建物でも、工事案内・工程表の配布まで含めて元請けとして一括で対応します。対応エリアは八王子市を中心に東京・神奈川・埼玉・山梨です。
お電話:042-508-3134(9:00〜18:00/日曜定休)
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- 法人様・オーナー様向けの修繕(賃貸マンション・アパート)
八王子の外壁塗装・屋根工事 よくあるご質問
- Q. 巧正の外壁塗装の保証期間はどれくらいですか?
- 採用塗料グレードによって異なります。無機塗料は最長10年保証、ラジカル制御塗料は7〜8年保証、シリコン塗料は5〜7年保証です。
- Q. 八王子市の補助金は使えますか?
- 八王子市には住宅関連の助成金制度があります。詳しくは八王子市の外壁塗装助成金まとめをご覧ください。
- Q. 相見積もりは可能ですか?
- はい、相見積もり大歓迎です。しつこい営業は一切いたしません。外壁診断士による写真付き無料診断を実施しています。
- Q. 雨漏りしているのですが対応可能ですか?
- はい、対応可能です。原因特定が最も重要なので、外壁診断士による現地調査と必要に応じて散水試験を実施し、根本原因を特定したうえで最適な工法をご提案します。
- Q. 八王子市以外のエリアでも対応してもらえますか?
- 八王子市内全域・多摩地区(日野市・多摩市・立川市・昭島市・あきる野市ほか)を対応エリアとしています。お問い合わせフォームからご相談ください。
