マンション大規模修繕の補助金・助成金2026|国・東京都・八王子市
「大規模修繕に使える補助金はありますか」は、管理組合の理事会や修繕委員会からよくいただくご質問です。結論を先に言うと、2026年10月12日に国・東京都・八王子市の公式ページを確認した範囲では、外壁や屋上防水の修繕工事そのものに出る補助金は見当たりません。一方で、省エネ・耐震・長寿命化・防災といった目的を持った工事には、国・東京都・八王子市それぞれに制度があり、大規模修繕の工事範囲に組み込むことで使えるものがあります。
本記事では、八王子を拠点に大規模修繕を元請けとして手がける巧正株式会社が、国土交通省・環境省・東京都・八王子市の公式ページを2026年10月12日に確認し、2026年度(令和8年度)に分譲マンションの管理組合が検討できる制度を一覧にまとめました。制度は年度ごとに変わり、予算の上限に達すると受付が終わります。巧正は補助金の申請代理を行う立場ではありません。最終的な要件と受付状況は、各制度の窓口でご確認ください。
結論:補助金は「大規模修繕全体」ではなく「省エネ・耐震・長寿命化・防災」の目的別に出る。工事範囲を決める前に、使える制度を先に確認する
2026年度に管理組合が使える主な制度は、国の「住宅省エネ2026キャンペーン」(高断熱窓・ドアなど、1戸あたり上限100万円)、東京都の「既存住宅における省エネ改修促進事業」(窓・ドアの全体改修で50戸以上なら1戸あたり上限240万円)、東京都の「マンション改良工事助成」(借入利子の補給)、国の「マンション長寿命化促進税制」(固定資産税の減額)、八王子市の「居住環境整備補助金」(止水板・共用部LED)と「分譲マンション耐震化促進事業補助金」です。
国の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、公式サイトに令和8年度は実施しないと明記されています。どの制度も原則として交付決定の前に契約・着工すると対象外になるため、総会の決議と工事の発注の前に、制度の申込み時期を工程に組み込んでおくことが要点です。
大規模修繕の補助金が「見つからない」と言われる理由
補助金を探すときに「大規模修繕 補助金」で検索しても、工事全体を対象にした制度は出てきません。公的な補助金は、国や自治体が進めたい政策の目的(省エネ・耐震・防災・長寿命化・子育て世帯の支援など)に沿った工事にだけ出る仕組みだからです。外壁塗装や屋上防水のやり替えは「建物を維持する工事」であって、それ自体は政策目的に直接結びつかないため、単独では対象になりません。
そこで考え方を変えて、大規模修繕の工事項目の中に、目的を持った工事がどれだけ含まれるかを見ていきます。たとえば足場をかけるタイミングで共用部の窓やドアを高断熱のものに交換すれば省エネ改修の制度が、旧耐震の建物で耐震補強を同時に行えば耐震化の制度が、外壁・屋上防水・床防水の3つを一度に行えば固定資産税の減額が、それぞれ検討できます。補助金の有無で工事範囲を決めるのではなく、必要な工事を決めたうえで、該当する制度を取りこぼさないのが現実的な順番です。
- 省エネ:共用部・専有部の窓やドアの断熱改修、外壁・屋根の断熱材、給湯器、太陽光発電(国の住宅省エネ2026キャンペーン、東京都の省エネ改修促進事業)
- 耐震:1981年5月31日以前に建築確認を受けた旧耐震の建物の耐震診断・補強設計・耐震改修(八王子市の分譲マンション耐震化促進事業補助金)
- 長寿命化:外壁・屋上防水・床防水をそろえて行う工事に対する固定資産税の減額(国のマンション長寿命化促進税制)
- 防災・資金:浸水対策の止水板(八王子市)、工事費の借入に対する利子補給(東京都)
制度一覧(2026年度・2026年10月12日に各公式ページで確認)
2026年度に分譲マンションの管理組合が検討できる制度を、国・東京都・八王子市の順に並べました。補助額の上限と受付状況は、各制度の公式ページで2026年10月12日に確認した内容です。予算の上限に達した時点で受付が終わる制度が多いため、申込みの前に必ず公式ページで最新の状況をご確認ください。
| 制度名(実施主体) | 対象になる工事 | 補助額の上限など | 受付状況(2026年10月12日確認) | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業(国土交通省・環境省) | 開口部・躯体の断熱改修を含む省エネリフォーム(平成28年以前に新築された住宅) | 最大100万円/戸。登録事業者が申請し、発注者に全額を還元 | 受付中。交付申請は遅くとも2026年12月31日まで(予約は11月16日まで)。予算執行率9%(10月11日時点) | 公式サイト |
| 先進的窓リノベ2026事業(環境省) | 高断熱窓への交換・内窓設置・ガラス交換(同一契約のドア交換を含む)。管理組合が行う窓改修も対象 | 住宅は1戸あたり上限100万円。集合住宅は低層・中高層で単価区分あり | 受付中。交付申請は遅くとも2026年12月31日まで。予算執行率28%(10月11日時点) | 公式サイト |
| 長期優良住宅化リフォーム推進事業(国土交通省) | (劣化対策・耐震・省エネなどの性能向上リフォーム) | 令和7年度は1/3補助・80万円/戸など | 令和8年度は実施しないと公式サイトに明記 | 令和7年度公式サイト |
| マンション長寿命化促進税制(国・税制) | 外壁・屋上防水・床防水をそろえて行う長寿命化工事(管理計画認定などの要件あり) | 工事完了の翌年度分の固定資産税(居住用専有部分・1戸あたり100㎡相当分まで)を3分の1減額 | 2027年3月31日までに完了した工事が対象。完了から3か月以内に申告 | 国土交通省(制度概要・証明書様式) |
| マンション改良工事助成(東京都) | 住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資を使う修繕工事 | 借入利子の一部を補給(補助金ではなく利子補給) | 第2期 2026年10月1日〜2027年2月19日、募集2,500戸・先着順。融資契約の前に申込みと交付決定が必要 | 東京都プレス(2026年5月13日) |
| 既存住宅における省エネ改修促進事業(東京都環境局・クール・ネット東京) | 高断熱窓・ドア、壁・床等の断熱材、高断熱浴槽。管理組合による集合住宅の全体改修も対象 | 窓・ドアは1/2相当で上限200万円/戸(管理組合が50戸以上を全体改修する場合は1.2倍・上限240万円/戸)。断熱材は1/3・上限100万円/戸 | 受付中。令和8年度分の交付申請兼実績報告は2026年6月30日に受付開始。予算上限で終了 | クール・ネット東京(令和8年度ページ) |
| 既存マンション省エネ・再エネ促進事業(東京都環境局) | 太陽光・蓄電池を含む省エネ・再エネ導入の検討計画書の作成(5年以内に大規模改修等を予定していることが要件) | 対象経費の10/10・上限37万円/棟 | 令和8年度も継続(東京都環境局の2026年3月30日資料)。受付期間は窓口で確認 | 東京都環境局 資料 |
| 居住環境整備補助金・分譲マンション向け(八王子市) | 地下階・機械室等の浸水を防ぐ止水板の設置(簡易製品を除く)、廊下・階段など建物内共用部分の照明のLED化(LED化は管理計画認定を受けたマンションに限る) | いずれも工事費の50%以内・上限50万円(補助対象工事費は止水板50万円以上・LED化10万円以上)。施工業者の要件なし | 受付中。2026年4月20日〜12月末日。予算到達で終了。2027年2月末までに完了報告 | 八王子市(2026年9月28日更新) |
| 分譲マンション耐震化促進事業補助金(八王子市) | 旧耐震の分譲マンションの耐震診断・補強設計・耐震改修工事等 | 補助率・上限は市の交付額表(PDF)で確認。本文に金額の記載なし | 令和8年度の要綱あり。予算到達で終了。交付決定前の契約は対象外 | 八王子市(2026年9月16日更新) |
表のうち、外壁塗装・屋上防水のやり替えそのものを対象にしている制度は1つもありません。一番近いのは固定資産税の減額で、これは補助金ではなく「工事が終わった翌年度の税金が下がる」制度です。八王子市の「長寿命化改修工事」(屋根・外壁の塗装など、20%以内・上限5万円)は住宅の所有者が申請する区分で、管理組合が共用部の工事に使えるかどうかは市のページに明示がありません(住宅支援課へ確認)。戸建てのオーナー様は「外壁塗装で使える八王子市の補助金・助成金|条件と申請の流れ」をご覧ください。
国の制度①:住宅省エネ2026キャンペーン(みらいエコ住宅2026・先進的窓リノベ2026)
国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携する「住宅省エネ2026キャンペーン」は、リフォームでは「みらいエコ住宅2026事業」「先進的窓リノベ2026事業」「給湯省エネ2026事業」「賃貸集合給湯省エネ2026事業」の4つで構成されています。いずれも2025年11月28日以降に着手した工事が対象で、交付申請は予算の上限に達するまで、遅くとも2026年12月31日までです。
大規模修繕と関係が深いのは、窓・ドアの断熱改修です。「先進的窓リノベ2026事業」の公式FAQには、分譲マンションの管理組合が行う窓のリフォーム工事は補助対象になると明記されています。ただし各住戸がすでに個別に申請している場合は、住戸ごとの上限(1戸あたり100万円)を超える分が減額されることがあります。複数棟の場合は棟ごとに申請し、全住戸のドアを交換する場合は同一契約内で全住戸の窓も改修する必要があります。
- 申請するのは登録事業者:工事発注者(管理組合)は自分で申請できず、「住宅省エネ2026キャンペーン」に登録した施工業者が住宅省エネポータルから申請し、補助金を契約代金への充当または現金で発注者に還元します
- 工事前の写真が必須:着手前の写真がないと補助を受けられません。躯体の断熱改修では工事中の写真も必要です
- 対象製品の指定:窓・ドアは事業の性能要件を満たすと確認された登録製品に限られ、集合住宅は低層(3階建て以下)と中高層(4階建て以上)で単価が分かれます
- 予算の執行状況:2026年10月11日時点で、みらいエコ住宅2026(リフォーム)は9%、先進的窓リノベ2026は28%、給湯省エネ2026は49%。上限に達し次第、予約を含めて受付が終わります
廊下やエントランスなど共用部の窓が対象になるかどうかは、公式ページ・FAQに明示的な記載を見つけられませんでした(2026年10月12日確認)。共用部の窓を工事範囲に入れる場合は、事前に事務局へ確認したうえで、登録事業者と工事請負契約を結ぶ前に申請の段取りを決めておく必要があります。
国の制度②:長期優良住宅化リフォーム推進事業は令和8年度「実施しない」
劣化対策・耐震・省エネなどの性能向上リフォームを、戸建て・共同住宅を問わず1/3補助(令和7年度は80万円/戸など)で支援してきた国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、令和7年度の公式サイトに「令和8年度、本事業は実施しません」と明記されています(2026年10月12日確認)。令和7年度の交付申請もすでに締め切られています。
過去にこの制度を前提に長期修繕計画や資金計画を立てていた管理組合は、2026年度は使えない前提で計画を見直す必要があります。2026年度に代わりに検討できるのは、次項の税制、東京都の利子補給と省エネ改修の助成、八王子市の耐震化・LED化の補助です。
国の税制:マンション長寿命化促進税制
補助金ではありませんが、大規模修繕と一番相性がよいのがこの制度です。管理計画認定(または助言・指導)を受けたマンションが、外壁・屋上防水・床防水の3つをそろえた長寿命化工事を2027年3月31日までに完了すると、翌年度分の居住用専有部分の固定資産税が3分の1減額されます(1戸あたり100㎡相当分まで)。工事完了から3か月以内の申告が必要で、3つのうち1つでも欠けると使えません。
要件の読み方、八王子市の申告窓口、証明書を発行できる人、工事の進め方への落とし込みは「長寿命化の大規模修繕で固定資産税を3分の1減額|八王子市の手続き」で詳しく解説しています。本記事では、補助金と税制は重複せずに組み合わせられること(後述)だけ押さえておいてください。

東京都①:マンション改良工事助成(借入利子の補給)
東京都のマンション改良工事助成は、工事費が安くなる補助金ではなく、住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」で工事費を借りた管理組合に、利子の一部を東京都が補給する制度です。2026年度は第1期(5月13日〜9月30日)に続いて、第2期が2026年10月1日〜2027年2月19日の募集で、募集戸数は2,500戸、先着順です。
申込みの順番に注意が必要で、機構との金銭消費貸借契約(融資契約)を結ぶ前に、都への申込みと交付決定を受けておく必要があります。旧耐震の建物は耐震診断の実施、要届出マンションは管理状況の届出も条件です。対象の条件、利子補給の効果の試算、申込み書類と工事の日程の組み方は「マンション改良工事助成とは|東京都の大規模修繕の利子補給と申込手順」にまとめています。
東京都②:既存住宅における省エネ改修促進事業(窓・ドア・断熱材)
東京都環境局の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」のうち、既存住宅の省エネ改修を助成するのがこの事業で、申請の受付はクール・ネット東京(東京都環境公社)が行います。東京都の資料では、管理組合による集合住宅の全体改修が対象として明記されており、2026年度の助成額は次のとおりです。
- 高断熱窓・ドア:性能と面積ごとの単価の合計(東京都の資料では1/2相当、令和7年度は1/3から引上げ)、上限200万円/戸。国のキャンペーンで「断熱+防犯窓」として登録された製品は上限300万円/戸。管理組合が50戸以上の窓・ドアを全体改修する場合は助成額が1.2倍になり、上限240万円/戸。1申請あたり窓・ドアの助成額が5万円以上の工事が対象
- 壁・床等の断熱材:1/3、上限100万円/戸(1つ以上の居室の全外皮部分に断熱材を設置し部位ごとの基準を満たす、または改修後に断熱性能等級5以上)
- 高断熱浴槽:9.5万円/戸(JIS A5532:2011に適合する製品)
- 受付と順番:事前申込は2026年5月29日に受付開始。契約・施工は事前申込の受付後に行う(2026年4月1日〜6月30日に契約した工事は、2027年3月31日までの事前申込で可)。事前申込から1年以内に交付申請兼実績報告が必要で、その受付は2026年6月30日開始。予算の上限に達した時点で終了。令和8年度に事前申込した申請は、実績報告時に金融機関発行の証明書等の提出が必須
対象になる窓・ドアは、国の住宅省エネキャンペーンに登録された製品などが条件で、国の先進的窓リノベ2026事業と併用できると東京都の資料に記載があります。足場をかける大規模修繕のタイミングで共用部・専有部の窓を一斉に改修する計画なら、国と都の両方を検討する価値があります。ただし上限の計算や添付書類は年度ごとに変わるため、手引きと窓口(クール・ネット東京 創エネ支援チーム 03-6737-5300・平日9〜17時、12〜13時を除く。2026年9月1日に番号変更)で確認してください。
東京都③:検討段階の支援と、屋上防水に関わる太陽光の上乗せ助成
東京都は、工事の前の「検討段階」にも支援を用意しています。「省エネ・再エネアドバイザー派遣」は建築と電気の専門家2名が無料で訪問し、共用部の省エネ・再エネ化の提案書を作ります。「既存マンション省エネ・再エネ促進事業」は、太陽光・蓄電池を含む導入検討の計画書を専門家に委託する経費を10/10(上限37万円/棟)で助成し、5年以内に大規模改修等を予定していること(長期修繕計画等の提出)が要件です。
屋上防水と直接関わるのが、太陽光発電の助成の陸屋根への上乗せです。東京都環境局の2026年3月30日の資料では、陸屋根の建物に太陽光を設置する場合、防水工事に18万円/kW(防水工事経費が上限)、架台設置に20万円/kWの上乗せが示されています。屋上防水の改修と太陽光の設置を同じ時期に行う計画がある管理組合は、防水の仕様を決める前に検討してみてください。金額・要件は年度の要綱で必ず確認が必要です。
どの制度が使えそうか、建物の写真と工事の希望からご案内します
制度ごとに対象工事の仕様が決まっているため、見積の段階で分けて組む必要があります。申請そのものは管理組合・管理会社で行っていただき、当社は仕様書・見積・写真の整えで協力します。写真3枚(建物の外観全体・屋上やバルコニー・気になる箇所の寄り)をお送りいただければ、担当者が見てご連絡します。写真だけでは判断できない場合があり、最終的な判断は現地調査(無料)で行います。無料で、営業のお電話はしません。
● LINEで写真を送る:巧正の公式LINE
● フォームで依頼する:30秒のかんたん見積もり依頼(写真はこちらからのご連絡後にお送りください)
● お電話:042-508-3134(9:00〜18:00/日曜定休)
八王子市:分譲マンション向けは「止水板・LED・耐震化」、外壁・防水そのものの補助は見当たらない
八王子市の住まい関連の補助制度のうち、分譲マンションの管理組合が対象になるのは2つです。1つ目は「居住環境整備補助金」の分譲マンション向け区分で、止水板の設置工事と共用部分のLED化改修工事(管理計画の認定を受けたマンションに限る)が、いずれも工事費の50%以内・上限50万円で補助されます。この2区分は、戸建て等の区分にある「市内の登録施工業者による工事」の要件から除かれています。受付は2026年4月20日〜12月末日で、予算に達した時点で終了します。工事契約は交付決定のあと、完了報告は2027年2月末までが条件です。
2つ目は「分譲マンション耐震化促進事業補助金」で、1981年5月31日以前に建築確認を受けた旧耐震の分譲マンション(耐火・準耐火で原則3階以上)の耐震診断・補強設計・耐震改修工事等を、管理組合が総会決議と東京都条例の管理状況届出を済ませたうえで申請します。補助率と上限額は市の交付額表(PDF)に記載されており、本記事では金額を書いていません。こちらも交付決定前の契約は対象外で、予算に達し次第終了です。
市の一覧ページ(2026年9月16日更新)と居住環境整備補助金のページ(同9月28日更新)を確認した限り、外壁塗装・屋上防水・鉄部塗装など大規模修繕の主要工事そのものを対象にした八王子市の補助金は、2026年10月時点で見当たりません。市の補助金で大規模修繕に組み込めるのは、足場をかけている間に共用廊下・階段など建物内共用部分の照明をLED化する工事(補助対象工事費10万円以上)と、地下階や機械室などの浸水を防ぐ止水板の設置(簡易製品は除く・補助対象工事費50万円以上)です。問い合わせ先はまちなみ整備部住宅支援課(042-620-7260)です。

工事項目ごとに「どの制度が使えるか」を整理する
大規模修繕の工事項目を縦に、国・東京都・八王子市・税制を横に並べると、使える制度の分布が見えてきます。外壁・屋上防水・鉄部といった中心の工事項目には補助金がなく、税制だけが関わること、窓・ドア・LED・耐震・太陽光といった「付け加える工事」に補助金が集まっていることが分かります。

- 外壁補修・塗装、屋上防水、床防水:補助金なし。3つをそろえれば長寿命化促進税制(固定資産税の減額)の対象。工事費の借入には東京都の利子補給
- 共用部・専有部の窓・ドア:国の先進的窓リノベ2026・みらいエコ住宅2026、東京都の省エネ改修促進事業(併用可)
- 外壁・屋根の断熱材:国のみらいエコ住宅2026、東京都の省エネ改修促進事業(断熱材は要件が細かく、BELS等の提出が必要)
- 共用部の照明LED化:八王子市の居住環境整備補助金(管理計画認定マンションに限る)
- 耐震診断・補強:八王子市の分譲マンション耐震化促進事業補助金(旧耐震の建物)
- 太陽光・蓄電池:東京都の太陽光発電の助成(陸屋根は防水工事・架台の上乗せ)、検討計画書の作成助成
- 止水板:八王子市の居住環境整備補助金
修繕周期の考え方からも、足場をかけている間に窓・ドア・LEDなどをまとめて行うのは合理的です。工事項目ごとの周期の目安は、記事末尾の「あわせて読みたい」の修繕周期早見表にまとめています。
申請の共通ルール:交付決定の前に契約・着工しない、事業者登録、総会決議
制度ごとに書式は違っても、申請で外すと取り返しがつかないルールは共通しています。本記事で取り上げた制度のほとんどが、交付決定(または事前申込の受付完了)の前に工事請負契約を結ぶと対象外としています。八王子市の2制度は交付決定前の契約が対象外、東京都の改良工事助成は融資契約の前に申込みと交付決定が必要、東京都の省エネ改修促進事業は契約・施工を事前申込の受付後に行うことが令和8年度のページに明記されています。国の住宅省エネ2026キャンペーンは着工前の契約と事業者登録、着手前の写真が前提です。
- 工事範囲を決める前に制度を洗い出す:建物診断の結果と長期修繕計画から必要な工事を決め、該当しそうな制度をこの記事の表で確認する
- 施工会社の要件を確認する:国の住宅省エネ2026キャンペーンは登録事業者が申請者。八王子市の居住環境整備補助金は、戸建て等の区分では指定団体から推薦された市内の登録施工業者による工事が条件ですが、分譲マンション向けの止水板・共用部LED化の2区分は市ページで施工業者の要件から除かれています。東京都の省エネ改修促進事業は対象製品の登録が条件。見積を取る段階で施工会社に確認しておく
- 総会で決議する:工事の実施、借入、補助金の申請、修繕積立金の取り崩しを総会の議案にする。八王子市の耐震化補助は区分所有法で定める数以上の同意が要件
- 申込み→交付決定→契約→着工→完了報告→請求:この順番を工程表に書き込む。完了報告の期限(八王子市は2027年2月末)から逆算して工期を組む
- 写真と書類を工事中からそろえる:着手前・工事中・完了後の写真、製品の登録証明、見積書の内訳は、後から用意できないものがある
総会の決議要件や相見積もりの比較の進め方は「マンション大規模修繕の総会・合意形成|管理組合の決議要件と相見積もり比較の進め方」で整理しています。
併用の可否:補助金どうし、補助金と税制・利子補給
公的な補助金は、同じ工事・同じ経費に対して国の補助金を二重に受けることはできないのが原則です。一方で、国と東京都のように実施主体が違う制度は、東京都側が「併用できる」と明示しているものがあります。東京都の省エネ改修促進事業の窓・ドアは、国の住宅省エネ2026キャンペーンとの併用が資料に記載されています。併用時の計算は細かく、たとえば断熱材は「経費の1/3・100万円/戸・国の補助金交付額のうち最も小さい額」が都の助成額になり、窓・ドアの「助成額5万円以上」の判定は併給する補助金を差し引く前の額で行う、と令和8年度のページにあります。手引きで確認してください。
補助金と税制・利子補給は性格が違うため、組み合わせやすい関係にあります。固定資産税の減額は「工事が完了した翌年度の税額」に関わる制度で、工事費への補助ではありません。東京都の利子補給は「借入の利子」に対するものです。たとえば、外壁・屋上防水・床防水をそろえて固定資産税の減額を受け、工事費を機構の融資でまかなって利子補給を受け、同時に行う窓改修に国と都の省エネ助成を使う、という組み合わせは制度上は矛盾しません。ただし固定資産税の減額は耐震改修などの他の減額措置と重複できないため、該当する場合は市の資産税課へ確認してください。
| 組み合わせ | 考え方 | 確認先 |
|---|---|---|
| 国の窓リノベ × 東京都の省エネ改修促進 | 東京都の資料で併用可と記載。上限の計算は手引きで確認 | クール・ネット東京 |
| 国の補助金 × 国の補助金(同じ窓) | 同一経費への重複は不可。先進的窓リノベ事業(2022年度・2024・2025)で補助を受けた開口部は2026事業の対象外(公式の事業概要に記載) | 各事業の事務局 |
| 補助金 × 固定資産税の減額 | 性格が違うため組み合わせ可。ただし他の固定資産税の減額措置とは重複不可 | 八王子市 資産税課 |
| 補助金 × 東京都の利子補給 | 利子補給は借入に対するもの。融資対象の工事費から補助金分をどう扱うかは機構・都へ | 住宅金融支援機構・東京都マンション課 |
| 八王子市のLED化 × 固定資産税の減額 | どちらも管理計画認定が要件。認定を先に取ると両方の入口が開く | 八王子市 住宅支援課 |
スケジュール:年度の公募時期と大規模修繕の工期をどう合わせるか
補助金の多くは4〜6月に受付が始まり、予算の上限に達するか、12月〜翌年2月の締切で終わります。大規模修繕は総会の決議から着工まで数か月、工事そのものも中規模の建物で3〜6か月かかるため、「今年度の制度を使う」と決めるなら、前年度のうちに工事範囲と施工会社を固めておく必要があります。2026年10月の時点から考えると、今年度の制度は受付期限と工期の両方が厳しく、現実的には2027年度(令和9年度)の制度を見据えた準備期間と考えるのが安全です。
- 前年度の秋〜冬:建物診断、長期修繕計画の見直し、管理計画認定の申請(税制・LED化・融資の金利引下げの入口になる)
- 前年度の冬〜年度明け:工事範囲の決定、相見積もり、施工会社の選定(登録事業者かどうかを確認)、総会決議
- 年度明け4〜6月:各制度の受付開始に合わせて申込み・事前申込。交付決定を待ってから工事請負契約
- 夏〜秋:着工。着手前・工事中・完了後の写真を制度の様式に合わせて撮る
- 冬〜年度末:完了報告・実績報告・請求。固定資産税の減額は完了から3か月以内に申告
診断から総会決議・着工・引き渡しまでの全体の流れは「八王子の管理組合向け大規模修繕の進め方|全10ステップ」で解説しています。
巧正にできること・できないこと
巧正は八王子を拠点とする外装修繕の施工会社(元請け)で、補助金の申請代理や行政手続きの代行は行いません。申請者は管理組合(国の住宅省エネキャンペーンでは登録事業者)であり、当社がお引き受けするのは、申請に使う工事側の資料を制度の要件に合わせて整えることと、交付決定や受付期間に合わせた工程の組み立てです。
- 工事項目ごとに分けた見積書:補助対象の工事(窓・LED・止水板など)と対象外の工事(外壁・防水など)を項目ごとに分け、制度側の様式に合わせた内訳をご用意します
- 仕様書と製品の資料:対象製品の登録番号や性能値が分かる仕様書・カタログを添えます
- 写真:着手前・工程ごと・完了後を部位別に撮影し、制度の様式に合わせて整理します
- 工程表:交付決定・融資承認・完了報告の期限を見込んだ着工日と工程表をご提案します
- 理事会・総会での説明:工事内容と、どの工事がどの制度に関わるかをご説明します
- 国の住宅省エネ2026キャンペーン:当社が元請けで対象工事を行う場合の事業者登録の有無と手続きは、お見積り時にご説明します
補助金を使うかどうかにかかわらず、工事の必要性は建物の状態で決まります。まずは屋上・外壁・共用部の現状を把握するところから始めるのが順番です。当社の無料建物診断の調査項目と報告書のサンプルは、記事末尾の「あわせて読みたい」からご覧いただけます。
よくあるご質問
Q1. 外壁塗装と屋上防水だけの大規模修繕に使える補助金はありますか
A. 2026年10月12日時点で、国・東京都・八王子市のいずれにも、外壁塗装・屋上防水のやり替えそのものを対象にした補助金は見当たりません。関わるのは、外壁・屋上防水・床防水をそろえた場合の固定資産税の減額(マンション長寿命化促進税制)と、工事費を借り入れる場合の東京都の利子補給です。最終的な確認は各制度の窓口へお願いします。
Q2. 管理組合が自分で申請できますか。施工会社に頼むのですか
A. 制度によって違います。東京都の改良工事助成、八王子市の2制度、東京都の省エネ改修促進事業は管理組合(申請者)が申込みます。国の住宅省エネ2026キャンペーン(みらいエコ住宅2026・先進的窓リノベ2026)は、登録した施工業者だけが申請でき、発注者は申請できません。巧正は申請代理を行いませんが、見積書・仕様書・写真など工事側の資料は整えてお渡しします。
Q3. すでに工事の契約をしてしまいました。今からでも申請できますか
A. 本記事で取り上げた制度は、交付決定(または事前申込の受付)の前に契約・着工した工事を原則として対象外としています。八王子市の2制度は交付決定前の契約が対象外、東京都の改良工事助成は融資契約前の申込みが条件です。例外として、東京都の省エネ改修促進事業は2026年4月1日〜6月30日に契約した工事に限り2027年3月31日までの事前申込を認めています。契約済みの場合は、まず該当する窓口に状況を伝えて確認してください。
Q4. 管理計画認定を受けていないと使えない制度はどれですか
A. 八王子市の共用部分LED化改修工事の補助は、管理計画の認定を受けたマンションの管理組合に限られます。固定資産税の減額(長寿命化促進税制)も、管理計画認定または助言・指導を受けていることが要件の1つです。住宅金融支援機構の融資の金利引下げにも認定が関わります。認定の基準と申請先は八王子市の窓口で確認してください。
Q5. 賃貸マンションを1棟所有しています。同じ制度が使えますか
A. 本記事の制度の多くは分譲マンションの管理組合を対象にしており、東京都の改良工事助成、八王子市の分譲マンション向け区分、長寿命化促進税制は賃貸の1棟所有者には使えません。賃貸住宅には東京都の「賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業」(高断熱窓 2/3・上限30万円/戸など、事前申込 2026年5月29日〜2027年3月31日)や、国の賃貸集合給湯省エネ2026事業があります。オーナー様はクール・ネット東京の賃貸向けページでご確認ください。
Q6. 補助金の情報が古くなっていないか、どう確かめればよいですか
A. 本記事の内容は2026年10月12日に各公式ページで確認したものです。予算の執行率は毎日更新され、受付は上限到達で終わります。確認するときは、本記事の表の出典リンクから公式ページを開き、「令和8年度(2026年度)」の表記と受付状況の日付を見てください。年度が変わると制度名や金額が変わることがあります。
まとめ
マンション大規模修繕に使える補助金は、「工事全体」ではなく「省エネ・耐震・長寿命化・防災」の目的別に出ます。2026年度は、国の住宅省エネ2026キャンペーン(窓・ドア・断熱、1戸あたり上限100万円)、東京都の省エネ改修促進事業(管理組合の全体改修は上限240万円/戸)、東京都の利子補給、固定資産税の減額、八王子市の止水板・LED化・耐震化の補助が候補です。国の長期優良住宅化リフォーム推進事業は令和8年度は実施されません。
どの制度も、交付決定の前に契約・着工すると使えません。工事範囲を決める前に制度を洗い出し、施工会社の登録要件と受付時期を工程表に組み込むことが、取りこぼしを防ぐ一番の方法です。巧正は申請代理を行いませんが、見積書の分け方・仕様書・写真・工程表といった工事側の資料は、制度の要件に合わせてご用意します。要件と受付状況の最終確認は、必ず各制度の窓口へお願いします。
大規模修繕のご相談・お見積りは無料です
補助金の対象になる仕様と、ならない仕様を分けた見積でお出しします。写真3枚(建物の外観全体・屋上やバルコニー・気になる箇所の寄り)をお送りいただければ、担当者が見てご連絡します。写真だけでは判断できない場合があり、最終的な判断は現地調査(無料)で行います。無料で、営業のお電話はしません。
● LINEで写真を送る:巧正の公式LINE
● フォームで依頼する:30秒のかんたん見積もり依頼(写真はこちらからのご連絡後にお送りください)
● お電話:042-508-3134(9:00〜18:00/日曜定休)
出典・参考資料(いずれも2026年10月12日確認)
- 住宅省エネ2026キャンペーン(公式)予算執行状況(2026年10月11日時点)
- みらいエコ住宅2026事業(公式)リフォームについて/申請手続きの詳細
- 先進的窓リノベ2026事業(公式)事業概要・よくあるご質問(リフォーム)
- 令和7年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業(公式。「令和8年度、本事業は実施しません」の記載)
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制」(制度概要・証明書様式・令和8年4月1日付通知)
- 東京都 報道発表「マンション改良工事助成」令和8年度募集(2026年5月13日)
- 東京都環境局「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」令和8年度(2026年5月22日)
- 東京都環境局 マンション向け省エネ・再エネ支援メニュー 令和8年度(2026年3月30日)
- クール・ネット東京「令和8年度 既存住宅における省エネ改修促進事業」(助成額・事前申込・問い合わせ先 03-6737-5300)
- 八王子市「令和8年度(2026年度)八王子市居住環境整備補助金のご案内」(2026年9月28日更新)
- 八王子市 令和8年度 居住環境整備補助金 補助金一覧表(PDF。止水板・LED化の工事内容と補助対象工事費の下限)
- 八王子市「分譲マンション耐震化促進事業補助金のご案内」(2026年9月16日更新)
- 八王子市「住宅の改修・耐震化などに関する補助制度」一覧(2026年9月16日更新)
執筆・監修:巧正株式会社 施工管理部(外壁診断士・2級建築施工管理技士補(仕上げ)在籍)|創業2014年・累計1,000件超の修繕実績。本記事の制度の内容・金額・受付状況は、上記の公式ページを2026年10月12日に確認したものです。制度は年度ごとに変わり、予算の上限に達すると受付が終わります。巧正は補助金の申請代理・行政手続きの代行を行いません。要件と受付状況の最終確認は、各制度の窓口(国の事務局・東京都・クール・ネット東京・八王子市住宅支援課)へお願いします。
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