大規模修繕の完了検査と引き渡し後の点検|確認項目と不具合の見つけ方
足場が外れて外観がきれいになると、大規模修繕は終わったように見えます。ところが管理組合にとって本当の節目は、そのあとの完了検査と引き渡しです。ここで何を見て、何を受け取り、引き渡し後にどの時期に何を点検するかが決まっていないと、気づいたときには足場がなく、保証の起算日もあいまい、という状態になりがちです。
本記事では、八王子を拠点にマンション・ビルの大規模修繕を元請けとして手がける巧正株式会社が、完了検査の流れ、足場解体前と解体後に見る箇所、部位別のチェックリスト、引き渡し書類、1年・3年・5年・10年の点検で見る項目、不具合を見つけたときの進め方を、国土交通省の公開資料と当社の引き渡しの手順にそって整理します。保証の範囲や瑕疵保険の仕組み、工事中の暮らしは、それぞれの専門ページに譲ります。
結論:完了検査は「足場解体前」と「引き渡し前」に分けて立ち会うのが確実。工事範囲表と工事写真帳を手元に置いて部位ごとに確認する
- 流れ:施工会社の自主検査→(監理者がいれば監理者検査)→管理組合の立会い検査→指摘の是正→是正確認→引き渡し。国土交通省のマニュアルも、竣工検査を「足場解体前検査」と「最終検査」に分け、管理組合による検査を行うとしています
- 足場解体前:高所の外壁・シーリング・屋上立上り・笠木など、足場がないと近づけない箇所を優先して見る
- 引き渡し前:バルコニー・廊下・階段の床、鉄部、設備の復旧、清掃、残材の有無と、書類(工事写真帳・保証書に加え、使用材料の一覧など)をそろえて受け取る
- 引き渡し後:当社は保証書を発行した工事について1年・3年・5年・10年を目安に無料で定期点検を行い、写真付きで報告します。点検時期は引き渡し時にお伝えし、時期が近づいたらご連絡いただいて日程を調整します。詳細は工事保証とアフター点検のページへ
- 不具合に気づいたら:部位・日付・写真をそろえて連絡する。保証対象かどうかは現地で確認し、対象なら無償補修。シーリングと下地補修は原則保証の対象外です
大規模修繕の完了検査とは|自主検査から引き渡しまでの流れ
完了検査は、工事が契約どおりに終わっているかを、工事を発注した管理組合が確認する手続きです。国土交通省の「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」は、工事の最終工程を終えた時点で竣工検査(足場解体前検査および最終検査)を行い、施工者検査、監理者検査に加え、管理組合による検査も行うとしています。検査の呼び方は「完了検査」「竣工検査」「施主検査」と会社や資料で異なりますが、中身は同じです。
工事中には、下地補修の完了時などに管理組合立会いの中間検査があり(同マニュアル)、本記事はその後の竣工検査(完了検査)を扱います。一般的な順番は次のとおりです。設計監理方式で設計事務所やコンサルタントが監理者に入っている場合は、施工会社の自主検査のあとに監理者の検査が入り、管理組合はその結果をもとに立会い検査を行います。責任施工方式(施工会社が設計と施工をまとめて担う方式)では、施工会社の自主検査の結果を管理組合が直接確認します。
- 施工会社の自主検査:現場代理人と各工種の職長が、工事範囲表と仕様に照らして全部位を確認し、手直しを済ませる
- 監理者検査(設計監理方式の場合):監理者が仕様どおりかを確認し、指摘事項を施工会社に是正させる
- 管理組合の立会い検査:理事・修繕委員が施工会社の案内で現地を回り、気づいた点を指摘票に記録する。足場解体前と引き渡し前に分けて行うと高所の確認が確実です。回数と日程は施工会社と管理組合で工程表をもとに決めます
- 是正と是正確認:指摘箇所を手直しし、写真または再立会いで確認する
- 引き渡し:工事写真帳・保証書などの書類を受け取り、完了確認書に署名する。保証の起算日はこの日になるのが一般的です
なお、建築基準法の「完了検査」(検査済証が出る検査)は、建築確認申請を伴う工事に対するものです。外壁塗装・防水・シーリングの修繕は多くの場合、確認申請の対象になりませんので、本記事で扱う完了検査とは別の手続きです。確認申請が必要な改修を含む場合は、設計者や八王子市の建築指導課に個別にご確認ください。

足場解体前に見る箇所と、解体後に見る箇所を分ける
完了検査を1回で済ませようとすると、足場が外れたあとに高所の気になる点が見つかり、再確認に費用と日数がかかります。国土交通省の実態調査(平成30年公表・944事例)では、大規模修繕の工事金額のうち外壁関係(塗装17.3%・タイル6.7%)が24.0%、屋根防水が10.5%で、合わせて約3分の1が足場や屋上に上がらないと近くで見られない部位です。一方、床防水(バルコニー・廊下)11.5%は足場がなくても見られます。検査の順番は足場に合わせて組みます。
- 足場解体前に見る:上層階の外壁の塗りムラ・塗り残し、タイル補修部の色違い、シーリングの打ち忘れと仕上げ、庇・バルコニー手すり壁の外側、笠木の継ぎ目、屋上パラペットの外側、妻側など道路から見えない面
- 足場解体と同時に見る:足場の壁つなぎ(アンカー)を外した跡の補修と塗装、メッシュシートを外して初めて分かる色の違い、足場の脚元にあった植栽・舗装の復旧
- 引き渡し前に見る:バルコニー・廊下・階段の床と排水、鉄部の塗装、屋上の防水端末・ドレン・脱気筒、取り外した設備(物干し金物・インターホン・照明・サイン類)の復旧、清掃と残材
足場解体前検査の日程は、施工会社から工程表で事前に案内があります。管理組合側は、理事会や修繕委員会の予定をその日に合わせ、立会いの人数と担当する面(東面・西面など)を決めておくと、1回の立会いで建物を一周できます。高所の確認が間に合わなかった場合は、ロープアクセスでの再確認という方法もありますが、足場があるうちに見るのが確実です。
部位別チェックリスト|外壁・タイル・シーリング・防水・鉄部・設備
次の表は、完了検査の立会いで確認したい項目を部位別にまとめたものです。左から、部位、見る場所、確認のしかた、見つかったときの一般的な対応です。すべてを管理組合の方が見分ける必要はなく、「どこを、どう見れば分かるか」を知ったうえで、施工会社の説明を聞いていただくための一覧です。
| 部位 | 見る場所 | 確認のしかた | 見つかったときの対応 |
|---|---|---|---|
| 外壁塗装 | 塗りムラ、塗り残し、ピンホール(塗膜の小さな穴)、だれ、色の違い | 太陽光が斜めに当たる時間帯に壁面を斜めから見る。サッシ枠・配管の裏、換気フードの下、軒天との境を近くで見る | 該当部を再塗装。色の違いは缶のロット差か下塗りの透けかを確認 |
| 外壁タイル補修 | 張り替えたタイルの色・目地の仕上がり、ピンニング(注入口)跡の処理 | 補修箇所のマーキング図と照らし合わせ、日中の自然光で色味を見る | 目地の充填不足は再充填。色差は見本との差を記録し、許容範囲を協議 |
| シーリング | 打ち忘れ(配管貫通部・サッシ上端・換気フード・隔て板まわり)、表面のひび、塗装との境のはがれ | 目地を指で軽くなぞり、硬化と密着を確認。貫通部は1か所ずつ数える | 打ち忘れは追加施工。硬化不良は撤去して打ち替え |
| 屋上防水 | 立上りの端末(押え金物・シール)、ドレンまわりの納まり、脱気筒の固定、トップコートのムラ、設備脚元の処理 | 雨上がりに水たまりの位置と引き具合を見る。端末は金物を手で触れて浮きを確認 | 端末の口開きは再シール。水が数日残る場合は勾配とドレンを確認 |
| バルコニー・廊下の床(長尺シート・塗膜防水) | シート端部の立上り・巾木との納まり、ジョイントの溶着、排水溝・ドレンの段差、浮き | 端部を踏んで沈みがないか、継ぎ目に爪が入らないかを見る。排水溝に水を流す | 端部の浮きは再接着。溶着不良は部分張り替え |
| 鉄部塗装 | 手すり支柱の根元、階段裏・段裏、扉の上端と丁番まわり、錆止めの塗り残し | 懐中電灯で裏側を照らす。上端は鏡か脚立で確認 | 塗り残しは錆止めから再施工 |
| 設備・サインの復旧 | 物干し金物、照明、インターホン、表示板、避難はしごの蓋、郵便受け、植栽・舗装 | 工事前の写真と比べ、数と位置と動作を確認する | 未復旧は復旧。破損は交換の負担者を協議 |
| 清掃・残材 | 養生テープの跡、塗料の飛散(車・ガラス・舗装)、足場の壁つなぎ跡、資材の置き忘れ | 駐車場・ガラス面・エントランス床を明るい時間に見る | 清掃・補修。車への飛散は施工会社の賠償責任保険で対応することが多い(契約・保険の規定による) |
チェックの基準になるのは契約時の工事範囲表と仕様書です。見積書の内訳で「どの部位に、どの材料を、何回塗るか」が決まっているため、検査では「書いてあることが、書いてある場所で行われたか」を照らし合わせます。内訳の読み方は「大規模修繕の見積書の見方」で、総括表から実数精算までを解説しています。

見えにくい箇所の確認ポイント|裏側・上端・取り合い部
完了検査で見落としが起きやすいのは、施工が雑だからではなく、正面から見える場所と、人の目線が届かない場所で、確認のしやすさに差があるからです。外壁の正面は誰が見てもムラが分かりますが、手すりの裏や笠木の継ぎ目、設備の脚元は、見る人がそこに目を向けなければ確認されません。そこで、立会い検査では次の場所を意識して回ることをおすすめしています。
- 上端と裏側:扉の上端、手すり笠木の裏、階段の段裏、庇の裏。鏡や懐中電灯があると見やすい
- 取り合い部:サッシと外壁の境、配管の貫通部、換気フードの根元、隔て板と壁の境。材料が変わる場所にシーリングと塗装の境ができる
- 屋上の端部:パラペット内側の立上り端末、ドレンまわり、脱気筒の根元、室外機や架台の脚元。平場の中央より先に傷みやすい部位でもあり、当社が立上りの保証年数を平場と分けている理由でもあります
- 床の端部:長尺シートと巾木の納まり、排水溝との段差、玄関前の見切り。歩いたときの沈みで分かることがあります
- 工事前と比べる場所:取り外した設備や表示の数、植栽・舗装・車止めの状態。工事前の写真があると判断が早い
仕上がってからでは見えなくなる工程(下地補修、錆止め、プライマー、防水の層数)は、現地では確認できません。これは工事写真帳で確認する項目です。国土交通省の公共建築改修工事標準仕様書も、後日の目視検査が難しい隠ぺい部分については施工の記録や工事写真を整備すると定めており、民間の大規模修繕でも同じ考え方で写真帳を作ります。屋上防水の下地処理からトップコートまでの工程写真は、八王子のビル屋上防水の施工事例で全工程を公開しています。

工事後の気になる箇所は、写真を送っていただければ確認します
他社で工事をした建物でも、第三者の目として所見をお伝えできます。写真3枚(気になる箇所の寄り・その周辺・建物の外観全体)をお送りいただければ、担当者が見てご連絡します。写真だけでは判断できない場合があり、最終的な判断は現地調査(無料)で行います。無料で、営業のお電話はしません。
● LINEで写真を送る:巧正の公式LINE
● フォームで依頼する:30秒のかんたん見積もり依頼(写真はこちらからのご連絡後にお送りください)
● お電話:042-508-3134(9:00〜18:00/日曜定休)
引き渡し書類|工事写真帳・保証書と、あわせて受け取りたい資料
引き渡しで受け取る書類は、次の大規模修繕まで管理組合が保管する「建物のカルテ」です。公共建築改修工事標準仕様書では、完成時の提出図書として完成図と保全に関する資料(利用に関する説明書・機器の取扱説明書など)を定めており、民間の大規模修繕でもこれに準じた書類一式を受け取ります。当社が引き渡し時にお渡ししているのは、工程ごとの写真をまとめた報告書と保証書の2点で、点検の目安時期は引き渡し時にお伝えし、維持管理の注意点は保証書に記載しています。一般に受け取っておきたい書類は次のとおりです。
- 工事写真帳(工程写真の報告書):部位ごとに、施工前→下地処理→下塗り→中塗り→上塗り→完了の順で写真を並べたもの。保証の根拠にもなります
- 使用材料の一覧(一般に求めておきたい資料):塗料・防水材・シーリング材のメーカー名と製品名、色番号。次回の修繕で「前回は何を塗ったか」が分かります。引き渡し前に施工会社へ求めておくと確実です
- 保証書:対象の部位と工事、保証年数と起算日、対象外になる条件、連絡先と対応の流れの4項目が書かれたもの。当社の保証書は免責事項と維持管理の注意点も記載し、防水工事では防水材メーカー・防水施工会社・当社の連名になる場合があります
- 定期点検の目安時期と日常の手入れ:当社は引き渡し時に1年・3年・5年・10年の点検の目安時期をお伝えし、ドレン清掃など日常の手入れは保証書の維持管理事項でご案内します

保証書の年数・対象・対象外の条件は「巧正の工事保証とアフター点検」に公開しています。当社の標準は屋上防水 平場10年・立上り5年、外壁塗膜 最長10年で、シーリングと下地補修は原則として保証の対象外、その他の工種はお見積り時にご説明します。大規模修繕かし保険を付けた工事では、保険法人の検査員による完了時の検査があり、保険付保証明書も引き渡し書類に加わります。保険の仕組みは「大規模修繕の瑕疵保険とは」をご覧ください。
受け取った書類は、紙と電子データの両方で保管し、理事の交代時に引き継ぐ資料の一覧に加えておくことをおすすめします。長期修繕計画の見直しや、建築基準法12条の定期調査(外壁の全面打診の時期を決める資料)でも、前回の工事内容と写真が判断の材料になります。
引き渡し後の点検|1年・3年・5年・10年で見る項目
引き渡しが終わると、建物は再び日常の使い方に戻ります。完了検査で問題がなくても、季節を一巡した1年目に初期の不具合が出ることがあるため、当社は保証書を発行した工事について、引き渡し後1年・3年・5年・10年を目安に定期点検を無料で行い、結果を写真付きでご報告しています。各時期に見る項目の例は次のとおりです。

- 1年点検:屋上の排水口と立上り端末、外壁の塗膜とシーリングの状態。梅雨と台風、冬の乾燥を一巡した初期の不具合を確認します
- 3年点検:1年の項目に加えて、鉄部の錆の再発、付帯部(樋・庇・金物)の状態。手直しが必要な箇所の早期発見が目的です
- 5年点検:上記に加えて、屋上やバルコニーの防水トップコートの劣化。トップコートの塗り替えの要否を判断する時期です
- 10年点検:建物全体を見て、次の大規模修繕の計画の起点にします。保証期間(屋上防水の平場10年)の満了が近い時期なので、満了前に保証対象の不具合がないかを確認します
点検で見つかった不具合が保証の対象なら無償で補修します。対象外の場合や、「そろそろ手を入れたほうがよい」箇所が出た場合は、お見積りを出してからご判断いただき、点検を口実にした追加工事の営業はしません。点検の時期と重ねて、管理組合側でも年1〜2回、梅雨前と台風後に屋上の排水口の清掃と目視を行っていただくと、保証の対象外になりやすいドレン詰まりによる漏水を避けられます。
工事項目ごとの一般的な修繕周期と点検時期は「マンション・ビルの修繕周期 早見表」にまとめています。10年点検の結果を長期修繕計画の見直しに反映させると、次の工事範囲を実態に合わせて決められます。
不具合を見つけたときの連絡と是正の進め方
引き渡し後に「廊下の塗装が一部はがれた」「屋上に水が残る」「シーリングに切れ目がある」と気づいたときは、次の順で進めると、現地確認から是正までが短くなります。居住者の方が気づいた場合は、管理会社または理事会を通じて施工会社へ連絡する流れが一般的です。
- 記録する:部位(何階のどの面・何号室前など)、気づいた日、天候、写真(全体と寄りの2枚)を残す。日付入りの写真があると進行の速さが分かります
- 連絡する:保証書に書かれた連絡先へ、記録を添えて連絡する。当社は電話(042-508-3134/9:00〜18:00・日曜定休)とお問い合わせフォームで受け付けています
- 現地確認:施工会社が現地を確認し、原因と、保証の対象かどうかを判断して説明する。雨漏りの場合は保証の対象かどうかにかかわらず原因の特定を優先します
- 是正:保証対象なら無償で補修し、施工写真を添えて完了報告する。対象外(天災・第三者の行為・工事範囲外からの雨水・ドレン詰まりなど)は見積を提示してから進める
- 記録を残す:是正の内容と写真を引き渡し書類と一緒に保管し、次の点検と修繕計画に引き継ぐ
保証の対象になるのは「施工の不良」に起因する不具合です。経年による色あせや、防水機能が保たれている表面の微細なひびは対象外になるのが一般的ですが、対象外でも補修はできますので、まずご連絡ください。有償になる場合は事前にお見積りします。管理組合として契約書・保証書・かし保険の約款のどれで対応するかが分かりにくいときは、管理会社やマンション管理士にも相談のうえ、施工会社と話を進めてください。

管理組合側の準備|検査当日の持ち物と役割分担
立会い検査は、施工会社が案内しながら建物を回る形で2〜3時間かかるのが一般的です。管理組合側で次の準備をしておくと、指摘と是正の行き違いが減ります。持ち物はいずれも特別なものではありません。
- 工事範囲表と仕様書の写し:「この面は塗装範囲か」「この目地は打ち替えか増し打ちか」をその場で確認するため
- 工事前の写真:設備や表示の復旧、植栽・舗装の状態を比べるため。着工前に施工会社が撮った写真を共有してもらう
- 指摘票(部位・内容・写真番号・対応・確認日):指摘を口頭で終わらせず、是正の確認欄まで一枚で追えるようにする
- 懐中電灯・小さな鏡・筆記具:上端と裏側を見るため
- 役割分担:理事長が全体、修繕委員が面ごと、管理会社が記録、監理者(いる場合)が仕様との照合、と分けると漏れが減る
バルコニーの床や手すりなど、各住戸の専用使用部分は、管理組合の立会いだけでは全戸を見られません。引き渡し前に居住者向けの「気づいた点の連絡票」を配り、期限を決めて集めると、専用使用部分の指摘を是正にまとめて反映できます。工事中の暮らしに関する居住者からの相談先や説明会の進め方は「マンション大規模修繕の工事中の暮らしQ&A」にまとめています。
巧正の完了検査と引き渡しの進め方
当社は調査から施工・保証まで元請けとして一貫して監理し、協力職人と工程ごとに品質を確認しています。工程の検査と写真記録は当社が行い、責任の所在を当社に一本化しています。管理組合の立会い検査の回数と日程、指摘の記録方法は、工程表をもとに管理組合と相談して決め、是正した箇所は施工写真を添えてご報告します。
引き渡しでは、工程写真の報告書と保証書をお渡しし、管理組合向けには総会資料に載せられる形で保証の内容を整理します。引き渡し後は、保証書を発行した工事について1年・3年・5年・10年の定期点検を無料で行い、結果を写真付きでご報告します。これから工事を検討される管理組合様には、完了検査の立会い方や引き渡し書類の内容について、お見積りの段階でご説明します。
よくあるご質問
Q1. 完了検査には管理組合の誰が立ち会えばよいですか
A. 理事長(または工事担当理事)と修繕委員の数名、管理会社の担当者が立ち会うのが一般的です。設計監理方式では監理者も同席します。人数は3〜6名程度で、面ごとに担当を分けると1回で建物を一周できます。専門知識は必須ではなく、工事範囲表と照らして「書いてあることが行われているか」を確認するのが役割です。判断に迷う点は施工会社と監理者に説明を求め、指摘票に記録してください。
Q2. 足場解体前の検査を見逃しました。あとから高所を確認できますか
A. できます。方法は、工事写真帳で該当部位の施工前・施工中・完了の写真を確認する、地上からカメラの望遠で確認する、ロープアクセスや高所作業車で近づいて確認する、の3つです。写真帳で足りる場合が多く、気になる箇所が残れば近接確認を相談してください。費用の有無は契約内容と施工会社の対応によりますので、引き渡し前に確認しておくと安心です。
Q3. 検査で指摘した箇所は、いつまでに直してもらえますか
A. 足場解体前の指摘は解体までに、引き渡し前の指摘は引き渡しまでに是正するのが原則です。塗装の手直しは乾燥時間が必要なため数日かかることがあり、雨天で延びることもあります。是正が引き渡しに間に合わない場合は、未了の項目と期限を引き渡し書類に明記し、是正後に写真または再立会いで確認します。口頭の約束で終わらせず、指摘票の確認欄まで埋めてから完了確認書に署名してください。
Q4. 引き渡し後に見つかった不具合は、すべて無償で直してもらえますか
A. 保証書に書かれた部位・年数の範囲で、施工の不良に起因する不具合は無償で補修します。当社の標準は屋上防水 平場10年・立上り5年、外壁塗膜 最長10年で、シーリングと下地補修は原則保証の対象外、その他の工種はお見積り時にご説明します。天災、第三者の行為、工事範囲外からの雨水、ドレン詰まりによる漏水などは対象外ですが、補修はできますので見積を確認のうえご判断ください。詳細は工事保証のページ(関連ページの一覧)をご覧ください。
Q5. 1年点検は管理組合から依頼しないと来てもらえませんか
A. 当社の場合、引き渡し時に点検の目安時期をお伝えし、時期が近づいたらご連絡いただいて日程を調整しています(連絡先は保証書に明記)。気になる箇所があれば、時期を待たずにご連絡ください。他社施工の場合は、保証書や契約書に点検の有無と時期が書かれているかを確認し、記載がなければ引き渡し前に施工会社へ点検の予定を書面で出してもらうことをおすすめします。
Q6. 工事写真帳はどのくらいの枚数が目安ですか
A. 枚数より「部位ごとに工程がそろっているか」が目安です。外壁なら施工前・下地補修・下塗り・中塗り・上塗り・完了、屋上防水なら施工前・下地処理・プライマー・防水層(層ごと)・端末処理・トップコートの順に、同じ位置から撮った写真が並んでいれば、仕上がってから見えない工程を確認できます。数量が多い工種(下地補修のひび割れ・浮き)は、位置図と番号で写真を対応させるのが一般的です。
まとめ|完了検査は足場解体前と引き渡し前に分け、書類まで受け取って引き渡し
- 流れ:自主検査→監理者検査→管理組合の立会い検査→是正→是正確認→引き渡し。国土交通省のマニュアルも、管理組合による竣工検査(足場解体前検査・最終検査)を挙げている
- 足場解体前:高所の外壁・シーリング・笠木・パラペット外側を優先。解体後は床・鉄部・設備復旧・清掃を見る
- 見えにくい箇所:上端と裏側、取り合い部、屋上と床の端部、工事前と比べる場所。見えなくなった工程は工事写真帳で確認する
- 引き渡し書類:工事写真帳と保証書(当社の引き渡し書類)に加え、使用材料の一覧も受け取り、理事の引き継ぎ資料に加える。点検の目安時期は引き渡し時に確認する
- 引き渡し後:1年・3年・5年・10年の定期点検(当社は無料・写真付き報告)と、管理組合による年1〜2回のドレン清掃と目視
- 不具合に気づいたら:部位・日付・写真を添えて保証書の連絡先へ。保証対象かどうかは現地で確認し、是正の記録を残す
ここに書いた流れと項目は一般的な整理で、実際の検査項目は契約した工事範囲と仕様によって変わります。これから大規模修繕を進める管理組合様、他社で工事をして引き渡し書類や点検の進め方を確認したい管理組合様は、建物の状況をお知らせください。現地調査・診断は無料で、契約の義務はありません。管理会社様経由のご相談も承ります。
引き渡し後の点検・保証のご相談は無料です
当社の工事は1年・3年・5年・10年の定期点検で写真付きの報告をお渡しします。写真3枚(気になる箇所の寄り・その周辺・建物の外観全体)をお送りいただければ、担当者が見てご連絡します。写真だけでは判断できない場合があり、最終的な判断は現地調査(無料)で行います。無料で、営業のお電話はしません。
● LINEで写真を送る:巧正の公式LINE
● フォームで依頼する:30秒のかんたん見積もり依頼(写真はこちらからのご連絡後にお送りください)
● お電話:042-508-3134(9:00〜18:00/日曜定休)
出典・参考資料
- 改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル(国土交通省・令和3年9月改訂・PDF)|1.5 改修工事の進め方(7)工事の実施 4)工事検査と竣工後の手続き:中間検査、竣工検査(足場解体前検査及び最終検査)、施工者検査・監理者検査に加え管理組合による検査、竣工図書の引き渡し(2026年10月12日確認)
- マンション大規模修繕工事に関する実態調査(国土交通省・平成30年5月11日報道発表)/同 概要(PDF)|944事例の工事金額ベースの内訳:外壁関係24.0%(外壁塗装17.3%・外壁タイル6.7%)、防水関係22.0%(床防水11.5%・屋根防水10.5%)、仮設工事19.2%(2026年10月12日確認)
- 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版(国土交通省・PDF)|1.2.4 工事の記録等(後日の目視検査が難しい隠ぺい部分の施工の記録・工事写真の整備)、1.8.1 工事検査(工事関係図書の整備完了後に工事完成の通知)、1.9 完成図等(完成図・保全に関する資料)、3.1.2 基本要求品質(防水層は取合い部を含め漏水がないこと、シーリング部は所定の形状・寸法と所要の仕上り状態であること)(2026年10月12日確認)
- 巧正の工事保証とアフター点検(当社ページ)|保証年数・対象外の条件・定期点検1年・3年・5年・10年の確認箇所
- 当社の施工事例:八王子のビル屋上防水(通気緩衝工法)全工程|工程写真の実例
執筆・監修:巧正株式会社 施工管理部(外壁診断士・2級建築施工管理技士補(仕上げ)在籍)|創業2014年・累計1,000件超の修繕実績。本記事の検査の流れと確認項目は、国土交通省の公開資料と当社の完了検査・引き渡しの手順にもとづく一般的な整理で、2026年10月12日に内容を確認しています。実際の検査項目・保証の範囲・是正の負担は契約内容によりますので、契約書・仕様書・保証書を優先し、判断に迷う場合は管理会社やマンション管理士にもご相談ください。
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足場を組まずに高所を修繕する工法です。下がるのは足場に関わる費用の分まで。稼働中の工場・営業中の店舗・入居者への騒音配慮が必要な賃貸でも対応できます。「ロープ高所作業特別教育」を修了した職人が施工します。
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