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セブンSとは|外壁タイルの透明塗膜防水 工程・費用・注意点【施工写真つき】

外壁タイルのマンションやビルで、「タイル自体はきれいなのに雨漏りが起きる」「大規模修繕でタイル面はどう守ればいいのか」というご相談が増えています。本記事では、タイルの見た目を変えずに面全体へ透明の防水層をつくる塗膜防水材「セブンS」(株式会社セブンケミカル製)について、弊社が実際に施工した現場の写真と2026年8月の提案実例をもとに、仕組み・工程・費用・注意点まで解説します。

先に結論

セブンSは、外壁タイルの色・質感を変えずに面全体へ透明の防水層をつくる塗膜防水材です。標準のS-T工法は「下塗り1回+中塗り2回+上塗り2回」の3層5工程。費用の目安は5,000〜6,800円/㎡(足場代別)で、劣化した目地からの浸水と、タイルの浮き・剥落の進行を面で抑えます。深目地の埋め戻しなど下地条件があるため、足場のある大規模修繕と同時に施工するのが合理的です。

執筆:巧正株式会社 施工管理部(東京都八王子市・元請け一貫体制/東京都知事許可(般-7)第161006号)。工程・所要量・施工条件は株式会社セブンケミカル「透明塗膜防水材 セブンS S-T工法 施工要領書」(2025年7月改訂版)と、弊社の施工記録・提案実例に基づいています。

目次

セブンSとは|タイルの見た目を変えずに「面」で防水する材料

セブンSは、株式会社セブンケミカルが製造する透明塗膜防水材です。外装タイル張りのビル・マンションの防水補修を主な用途として、メーカーによれば25年以上の施工実績があり、外壁からの雨漏れ補修に多く使われてきました。

最大の特長は、防水層が透明であることです。一般的な外壁塗装のようにタイルを塗りつぶさないため、タイルの色・質感・目地の陰影は施工前とほぼ変わりません。タイル張りの建物は外観の意匠が資産価値に直結するため、「守りたいが塗りつぶしたくない」という要望に応えられる数少ない工法です。

下地はタイルのほか、ガラスブロックや打ち放しコンクリートにも対応します。工法は下地別に、タイル面のS-T工法、コンクリート面のS-C工法、防汚目的のS-Y工法、床面のS-F工法が用意されており、本記事では外壁タイルに使うS-T工法を中心に解説します。

タイル外壁の弱点は、タイルではなく「目地」

タイルは陶磁器質で、それ自体は数十年の耐久性があります。経年で劣化するのは、タイルとタイルの間を埋めている目地モルタルです。目地は紫外線や雨、凍結融解の影響で少しずつ痩せ、細かなひび割れが生じます。このひび割れが雨水の通り道になり、下地(ALCパネルやコンクリート)へ水が届くと、雨漏りだけでなく、タイルの浮き・剥落の原因にもなります。

深目地と目地処理済みの違いの断面図解|目地3mm以上は埋め戻しが必要
深目地と目地処理済みの違い(図解・断面イメージ)。目地が3mm以上痩せてタイルの側面が見えている「深目地」は水が溜まりやすく、セブンS施工の前に目地セメントで平滑に埋め戻して乾燥させる必要があります。目地がタイル面と平滑なら、そのまま透明塗膜防水に移れます

傷んだ目地の補修やタイルの張り替えは大規模修繕の定番工事ですが、補修できるのは「傷んでいると分かった箇所」だけです。目地は建物全体に張り巡らされており、補修しなかった部分も同じ年数を経ています。そこで、補修とあわせて面全体を透明の膜で覆い、浸水経路そのものをふさぐという考え方が透明塗膜防水です。

S-T工法の施工手順|3層5工程を実際の写真で解説

S-T工法は「下塗り1回+中塗り2回+上塗り2回」の3層5工程です。工程を省くと膜厚が不足し、期待する防水性能が得られません。見積書に工程数が明記されているかは、業者を見極めるポイントのひとつです。

セブンS S-T工法の層構成図解(3層5工程)
S-T工法の層構成(図解)。所要量はメーカー施工要領書の50mm二丁掛けタイル基準

施工前:高圧洗浄

塗布の前に、外壁面の汚れ・ほこりを高圧洗浄で落とします。洗浄後はしっかり乾燥させてから次の工程に進みます。

外壁タイルの高圧洗浄|セブンS施工前の下地処理
施工前の高圧洗浄。下地の汚れを残すと密着不良の原因になる

工程1:下塗り(セブンSシーラー・0.1kg/㎡)

下地との密着を確保するシーラーを、中毛ウールローラーと刷毛で塗布します。

セブンSシーラーの下塗り|ローラーで外壁タイルに塗布
工程1・下塗り。タイル面にシーラーを塗り、防水層の密着を確保する

工程2・3:中塗り(セブンS主材・0.4+0.2kg/㎡)

透明防水層の本体です。1回目は細目多孔質ローラーでたっぷり含ませて塗り(0.4kg/㎡)、2回目は中毛ウールローラーで膜厚を確保します(0.2kg/㎡)。写真のとおり、塗布直後は乳白色に見えますが、乾燥すると透明になります。

セブンS主材の中塗り1回目|塗布直後は乳白色で乾くと透明になる
工程2・中塗り1回目。塗布直後は乳白色だが、乾燥すると透明に変わる
セブンS主材の中塗り2回目|膜厚を確保する工程
工程3・中塗り2回目。2回塗り重ねて防水層の膜厚を確保する

工程4・5:上塗り(セブンSトップ・0.1kg/㎡×2回)

紫外線や汚れから防水層を守る保護層(トップコート)を2回塗り重ねて仕上げます。

セブンSトップの上塗り1回目|防水層を守る保護層
工程4・上塗り1回目。防水層の上に保護層を重ねる
セブンSトップの上塗り2回目|仕上げの工程
工程5・上塗り2回目。耐久性と防汚性を高めて仕上げる

🔍 施工管理部の所見|「乳白色→透明」の変化で塗りムラを管理する

実際の施工では、中塗りの主材は塗布直後こそ乳白色ですが、乾くと透明に変わります(上の工程写真がその状態です)。職人はこの色の変化を利用して、塗り残しや膜厚のムラを目視で確認しながら2回塗り重ねます。また、2026年8月にご提案した都内のマンション(外壁タイル約632㎡)では、現地調査で階段まわりなど2面に「深目地」(目地が痩せてタイルの側面が見えている状態)が見つかり、透明塗膜防水の前提条件として目地セメントの埋め戻し約100㎡を本体工事に組み込みました。目地が3mm以上痩せている箇所は、埋め戻して乾燥させてからでないと施工できません。現地調査で目地の深さを確認せずに出てくる見積もりには注意してください。

セブンSで期待できる4つの効果

①意匠がそのまま残る:膜が透明のため、タイルの色・質感・目地の陰影は施工前と変わりません。塗りつぶす工法と違い、建物の外観と資産価値を保てます。

②面全体の浸水対策:補修した箇所だけでなく、目地・微細なひび割れ・表面の凹凸を含めた面全体を膜で覆い、浸水経路そのものをふさぎます。

③汚れが付きにくくなる:表面が平滑になるため、雨だれや排気による汚れが付着しにくく、付いても落ちやすくなります。

④タイルの剥落防止につながる:塗膜がタイルと目地を面全体で覆って保持するため、目地の劣化による浮き・剥がれの進行を抑えます。

セブンS施工後の外壁タイル|タイルの色と目地の陰影はそのまま
施工後。タイルの色と目地の陰影はそのまま残り、面が均一に整っている(弊社施工現場)

費用相場|実際の提案数値も公開

セブンS(S-T工法)の工事単価は、一般に5,000〜6,800円/㎡程度が目安とされています。弊社が2026年8月に都内のマンション(外壁タイル約632㎡)へ提出した提案では、単価6,000円/㎡・合計約417万円(税込)で計上しました。

施工面積の目安概算費用(税込・単価6,000円/㎡の場合)
200㎡約132万円
400㎡約264万円
632㎡(弊社提案の実例)約417万円
※足場費用・深目地の埋め戻し等の下地処理は別途。建物の状態により変動します

注意したいのは足場です。外壁全面の施工には仮設足場が必要になるため、単独で行うと足場代が上乗せされます。大規模修繕や外壁改修工事で足場を架けるタイミングに同時施工すれば、足場を共用でき、工程にも無駄が出ません。また、透明塗膜防水の前提となる深目地の埋め戻しやタイル張り替えは大規模修繕の本体工事と重なるため、セットで検討するのが最も効率的です。

耐用年数とメンテナンス

セブンSはメーカーによれば25年以上の施工実績を持つ材料ですが、防水層を紫外線から守っているのはトップコートです。メーカーは斜壁面(日射・雨の影響が大きい面)について5〜7年でのトップコート塗り替えを推奨しており、一般壁面でも10年前後を目安に膜の状態を点検し、必要に応じてトップコートを塗り替えることで防水層を長持ちさせられます。全面をやり直すのではなく、保護層だけを塗り替えられるのが塗膜防水のメリットです。

デメリットと施工できないケース

①シーリング材の上には施工できない:サッシ周りや打継ぎ目地などのシーリング部は対象外です。取り合い部は見切りを設けて仕上げます。シーリングが劣化している場合は、シーリング工事(打ち替え・増し打ち)を先行または同時に行う必要があります。

②深目地はそのまま施工できない:目地が3mm以上痩せている箇所は、目地セメントで平滑に埋め戻し、乾燥させてからの施工になります。下地処理の分の費用と工期を見込む必要があります。

③地面際は対象外:接地面から10cm程度は、地面からの水分の影響を避けるため施工しません。

④気象条件の制約:外気温5℃以下・35℃以上では施工できません。降雨・結露・霜が予想される日も避けるため、真冬・真夏や長雨の時期は工程が延びることがあります。

⑤単独施工では足場代がかさむ:前述のとおり、足場のある大規模修繕・外壁改修との同時施工が合理的です。

よくある質問

Q. タイルの色や質感は本当に変わりませんか?

A. 膜が透明のため、色・質感・目地の陰影は施工前とほぼ変わりません。本記事の施工後写真が実際の仕上がりです。見え方が気になる場合は、目立たない面での確認からご相談いただけます。

Q. どのくらいもちますか?

A. 材料としては25年以上の施工実績があります(メーカー公表)。防水層を守るトップコートは斜壁面で5〜7年、一般壁面で10年前後を目安に点検・塗り替えを行うのが長持ちのコツです。

Q. タイル以外の外壁にも使えますか?

A. ガラスブロックや打ち放しコンクリート(S-C工法)にも対応します。意匠を残したい外装の防水・保護に幅広く使われています。

Q. 一部の壁面だけ施工することはできますか?

A. 浸水経路を面でふさぐ工法のため、施工は壁面単位で行います。雨漏りの原因面だけを施工する、といった範囲調整は現地調査のうえでご提案します。

まとめ|タイルを「塗りつぶさずに守る」なら大規模修繕と同時に

セブンSは、タイル張りの建物の意匠を保ったまま、劣化した目地からの浸水を面全体で抑えられる透明塗膜防水材です。一方で、3層5工程の工程管理、深目地の埋め戻し、シーリングとの取り合いなど、下地の見立てが仕上がりを左右します。タイルの張り替え・目地補修・足場と工程が重なる大規模修繕のタイミングでの同時施工が、費用面でも品質面でも合理的です。

巧正株式会社は八王子を拠点に、管理組合の大規模修繕賃貸マンション・アパートオーナー様の修繕を元請け一貫体制で承っています。外壁タイルの現地調査・お見積りは無料です。相見積もり・セカンドオピニオンも歓迎します(TEL 042-508-3134/9:00〜18:00・日曜定休)。

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セブンS施工後の外壁タイル|タイルの色と目地の陰影はそのまま

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