住まいにおいて最も負担の大きい箇所としては主に屋根が挙げられます。降雨や夜露、気温の低下による霜や積雪、時にはあらゆる物が飛来することもあります。晴天時には強い紫外線にも晒されます。私たちの生活を支えてくれる屋根は、定期的なメンテナンスによって、より長期間、快適な生活を送ることができるようになります。
屋根面の表面温度は夏季には80℃を超え冬季には氷点下であることも
紫外線は肌だけでなく屋根にとっても大敵であることが一般的に知られています。 季節や屋根材によって表面温度が80℃以上にもなる夏や、零下の冬など季節外れの厳しい環境条件も屋根が直面する負担です。加えて、屋根は住居で最も高い位置にあり、強風の影響を被りやすいため、自然災害時には被害を受けやすく、修理やメンテナンスが必要不可欠です。 特に、台風や大雨などで屋根に損傷を受けてしまうことが多いため、定期的なメンテナンスの重要性は言うまでもありません。 その中でも比較的手軽に屋根材の耐久性を維持できる方法として屋根塗装が挙げられます。
屋根塗装とは
家屋メンテナンスにおいて重要な項目の1つが、屋根の塗装です。屋根に塗料を塗ることで、以下のような効果があります。
☑ 外観が美しく復元されることが期待できます。
☑ 屋根の劣化を防ぎ、耐久性を向上させることができます。
☑ 雨漏りを予防することで、家屋が腐食や損傷を受けることを防ぐことができます。 住まいを長年にわたって守るためには、定期的な屋根塗装が必要不可欠です。
屋根は日々様々な天候に対応しながら、気体である湿気から液体である雨、そして固体の雪や雹など、多様な水分を防ぎ、太陽光や寒暖などの環境変化にも耐え抜く重要な役割を担っています。
お住まいの屋根にどんな屋根材が使用されているかご存じですか?
屋根の種類によっては、屋根塗装を必要としない材料もあります。ご近所で多く見られる瓦屋根の多くは、屋根塗装の必要がないため、そのようにお感じになった方もいらっしゃるでしょう。 屋根材として使用される瓦、スレート(コロニアル・カラーベスト)、金属など、様々な種類があり屋根材によって屋根塗装が必須なものとそうでないものがあります。
お住まいの屋根に傷みの兆候が見られる場合は適切な処置を行うことが不可欠です。もし不安がある場合は、弊社へお気軽にお問い合わせください。弊社では長期的な快適性を確保するため適切な屋根塗装方法を提案いたします。
屋根塗装が必要な屋根材
コロニアル(カラーベスト、スレート)
戸建て住宅の屋根に多く使用される建材は、化粧スレート(コロニアル・カラーベスト)であります。この屋根材は、一般的には粘板岩として知られる材料で屋根を葺くときに用いられることから、「屋根を葺く材」という意味の英語で表される名称が与えられました。
経年劣化によるひび割れ
台風や強風によって破損
主原料がセメントから成る屋根材は厚み約5㎜でありながら使用可能期間は20~25年程度です。しかしながら、この屋根材は吸水することで劣化してしまいます。屋根材を保護する塗膜が傷ついてしまうと屋根材は吸水・乾燥を繰り返すため、次第に反り上がってしまいます。この結果風に煽られて割れてしまうこともあります。よって、屋根材の表面に塗装を施して防水性を確保することが非常に重要です。通常の環境下では、約10年毎に塗り替えが必要とされています。
スレートの塗り替え時期の目安
直射日光が当たる南側面は太陽光の紫外線に晒され塗膜が劣化する恐れがあります。また、日が当たらない北側面などは絶えず湿気を含み苔や藻が発生する傾向にあります。このような苔や藻は建物の構成部材に水分を多量に蓄積し劣化の原因になります。屋根塗装を施す際には苔や藻を除去し吸水しない美しく清潔な屋根を完成させることができます。
金属屋根(トタン、ガルバ二ウム)
金属屋根は、その素材によって塗り替えまでに必要な年数に違いがあります。トタン(亜鉛めっき鋼板)は、通常5〜8年程度での塗り替えが必要です。一方、最近注目されているガルバリウム(アルミニウムと亜鉛の複合めっき鋼板)は、その耐錆性から、通常10〜15年程度での塗り替えが必要となります。
金属屋根(トタン、ガルバ二ウム)の塗り替え時期
金属製屋根材は環境要因に大きく左右され海岸地域や鉄粉や埃が飛来しやすい工場周辺地域などでは寿命が著しく低下する場合があります。このような地域では定期的な点検を実施し早期メンテナンスを施してください。
現代において、建築やメンテナンスの分野においては、従来のトタンやブリキの使用は激減しており、屋根の一部を補修する場合にもガルバリウム鋼板がほとんどを占めるようになっています。この傾向は、ガルバリウム屋根が軽量でありながら耐震性に優れ、さらに費用対効果が高いからです。また、ガルバリウム屋根には耐久性があり、適切にメンテナンスすればサビによる雨漏りや穴あきといったトラブルを防止することができ、長期的に使用することも可能です。
瓦には塗装が必要なものとそうでないものがある。
屋根材として現代でも使用される「瓦」には、その起源に基づいて名前が付けられる傾向があります。 スレート瓦や新生瓦など、他の瓦にも別名が存在しますがここでは日本の伝統的な屋根に使用される瓦を分類し一般的には「瓦」と呼ぶとされるものに絞ります。
瓦の種類は粘土瓦とそれ以外で分類される
瓦は大きく分けて粘土を焼き固めた製品とセメントやコンクリートで形成された製品に分類される。
戸建て住宅の屋根に使用されている瓦には塗装が必要な種類と不必要な種類がございますがこれらは外観や重さが類似していることからお判りになりづらい場合がございます。もしも瓦を詳しく観察できる環境が整っておりますならば問題ありませんが屋根の上に上ることは危険が伴います。このような場合は弊社にご相談いただければ適切なアドバイスを差し上げます。
粘土瓦(いぶし瓦や素焼き瓦)の塗装することは可能ですが、、、
「釉薬器瓦(陶器瓦)」、「いぶし瓦」、「素焼き瓦(無釉薬瓦)」は塗装が必要ないという利点がありますが必要に応じて塗装することもできます。それぞれに適した塗料が販売されております。ただし、一度塗装すると定期的に塗り直す必要があるためコスト効果は低下します。 また、これらの瓦の表面は元からなめらかなので、塗膜が密着しないことがあり、正しく施工していても剥がれる場合があります。塗膜の剥がれにより、見た目が悪く劣化することがあります。したがって、陶器瓦やいぶし瓦は劣化する代わりに、徐々に風合いを増していく経年変化を楽しんでいただくことをおすすめします。 素焼き瓦は、年数が経つにつれて水分を吸収しやすくなり、凍害によるダメージを受けやすくなるため、塗装することを選択される方もいらっしゃいます。
コンクリート(モニエル)瓦とセメント瓦は形状がよく似ていますがそれぞれ異なる材質から作られているため、同じシーラーを使用することはできません。
コンクリート(モニエル)瓦とセメント瓦
コンクリート(モニエル)瓦とセメント瓦は形状が非常に良く似ております。型に入れ成形することで形状が均一でまた陶器瓦よりも安価であるため、約40年前から広く普及しています。しかしながら現在では生産中止となっておりますため屋根塗装の前に割れや欠損が著しい場合は葺き替えをお勧め申し上げます。それでも原材料自体は耐久性に優れたものであるため定期的なメンテナンスが行われている場合には屋根塗装を実施できる場合もございます。
ここでは、2つの種類の瓦を区別することが重要です。コンクリート瓦にセメント瓦の下塗り材を使用すると塗装の寿命が短くなりすぐに剥がれてしまいます。同様にセメント瓦にコンクリート瓦の下塗り材を使用すると同様の問題が発生します。瓦の小口(角)がデコボコしている場合は、コンクリート瓦である可能性が高く、逆に表面が滑らかであればセメント瓦である可能性が高いです。ただし、このような判別能力を持たない業者も存在するためご注意ください。
コンクリート瓦とセメント瓦の判別方法
コンクリート瓦という屋根材は屋根塗装を行う際には特に注意を要するものの一つです。一般的な屋根材としては、モニエル瓦、パラマウント、スカンジアなどが挙げられますがこれらの屋根材には着色セメントとクリアー塗装による膜状のスラリー層が形成されています。このスラリー層は、劣化を遅らせる目的で塗られたものであり期待される耐久性を持っています。しかしながらこの耐久性が屋根塗装時には問題となることがあります。 通常、屋根塗装は塗膜が劣化した時に行うものとされていますが屋根材の種類によらず密着性の悪さによる塗装の剥がれなどがあることから慎重に行う必要があります。化粧スレートは、10年程度の耐用年数であることが一般的ですが、金属屋根材では、10~15年ほどとされています。なお、この数字は、新築後初めての塗装の場合にあてはまるものであり2回目以降は、使用した塗料の耐久性に合わせて検討することが重要です。
二度目の塗装が必要になるタイミングについて。
塗装工事の2回目以降は塗料の耐久性を考慮して検討することが極めて重要です。ただし、これは屋根塗装を迅速に行うことが良いわけではありません。屋根材のコンクリート瓦のスラリー層も同様です。劣化が少ないと言っても、高圧洗浄と専用の下塗り材を使って密着性を高める必要があります。屋根材に関する十分な知識がない場合、塗膜の剥離や塗料の過剰使用によりトラブルが発生する可能性があります。十分ご注意ください。
屋根塗装において使用される塗料の種類や特長について。
塗料の種類
塗料は一般的にウレタン、シリコン、フッ素、無機の4種類に分類されます。それぞれ異なる特性がありますので、以下を確認していきましょう。
ウレタン塗料 | コストが手頃で密着性と伸縮性に優れ、8〜10年という長期間使用可能なメリットを有しています。 |
シリコン塗料 | 耐久性と価格のバランスが取れた塗料であり、おおよそ10年ごとにメンテナンスが必要です。現在、シリコン塗料が最も一般的に使用されていると考えられます。 |
フッ素塗料 | 価格が高めながら、非常に耐用年数が長く、15〜20年使用可能な特徴を持ちます。さらに、優れた耐久性により、汚れにも強く、日当たりの良い家や海沿いの住宅などの屋根に負担のかかる地域で人気があります。 |
無機塗料 | 耐用年数が最も長く、20〜25年間使用可能である点が際立ったメリットです。新しい塗料であり、石やガラスなどの無機物を導入して、劣化しにくくしています。 |
これらを選定した後、特別な効果を持つ塗料を使用するかどうかを決定します。
断熱塗料は | 夏の暑さや冬の寒さを防ぎ、建物内部の理想的な温度環境を保つことができる塗料です。 |
遮熱塗料は | 太陽光によって屋根から熱を吸収することを防ぎ、高温になることを防止する塗料です。 |
光触媒塗料は | 建物表面に塗ることで太陽光を利用し、表面の汚れを浮き上がらせて雨水で自然に洗い流すことができる塗料です。 |
溶剤系塗料(油性)と水性塗料
塗料を水性または油性にするかによって住宅の状態も異なってきます。