外壁塗装の見積もりを依頼する際には、多くのポイントを理解しておくことが重要です。本記事では、外壁塗装の費用相場や見積もり書のチェックポイント、見積もり事例などを詳しく解説します。これを読めば、外壁塗装の見積もりに関するすべての疑問が解消されることでしょう。
外壁塗装の費用相場と見積もりの基本
外壁塗装の費用相場
外壁塗装費用は依頼する塗装業者や使用する塗料によって変動します。一般的な費用相場は80万円からと言われていますが、正確な費用は見積もりを取って確認しましょう。
費用の内訳を理解する
塗料代、人件費、足場代など、外壁塗装の費用は複数の要素から構成されます。この内訳を理解することで、適正な見積もりができるでしょう。
塗料メーカーと種類による費用の違い
塗料メーカーや塗料の種類によって費用に大きな差があります。一般的なものから耐久性に優れた高級塗料まで、どの塗料が最適かは専門家のアドバイスを受けると良いでしょう。
外壁塗装の見積もりを取るコツ
複数の業者から相見積もりを取る
一つの業者だけでなく、複数の業者から相見積もりを取ることで価格や内容を比較でき、適正な価格を見極めることができます。
見積書の内容をしっかり確認する
見積書には塗料の種類や使用量などが詳細に記載されているかを確認しましょう。「一式」といった曖昧な表記がないかもチェックが必要です。
専門家の意見を聞く
専門家の意見を聞くことで、自分では見落としがちなポイントを指摘してもらえます。安心して業者選びができるでしょう。
外壁塗装の見積もり事例
事例1: ウレタン塗料を使用した外壁塗装
ウレタン塗料は比較的安価でありながら、耐久性があるため一般的な住宅に使用されることが多い塗料です。
事例2: ラジカル塗料を使用した外壁塗装
ラジカル塗料は耐候性が高く、長期間美しい状態を保つのに適しています。費用はウレタン塗料よりも高めです。
事例3: フッ素塗料を使用した外壁塗装
フッ素塗料は非常に耐久性があり、長期間メンテナンス不要で美観を保つことができる高級塗料です。
見積もり段階で気を付けるべきトラブルと対策
大幅な値引きに注意
大幅な値引きを提案してくる業者には注意が必要です。質の低い塗料や手抜き工事の可能性があります。
追加費用の発生を防ぐ
見積書に記載されていない追加費用が発生しないよう、事前にすべての項目を確認しておきましょう。
見積書の正しいチェック方法
塗料缶数の明記
使用する塗料の缶数が明記されているか確認することで、適正な量が使われているかを判断できます。
塗料メーカーと商品名が明確に記載してある
見積もりの塗装工事の項目に使用する塗料の商品名とメーカーがしっかり記載されているか確認しましょう。また、ウレタン塗料とだけ記載されている場合も注意が必要です。同じウレタン塗料でも塗料メーカーによっても品質や金額が異なります。
外壁塗装の面積が記載されている
外壁塗装は塗装を施工する面積(㎡)で費用がきまります。なので見積もり書には正しい塗装面積が記載されている事が重要になります。また、業者によっては塗装面積を坪で表記してくる工事店もあるようですが坪数はあくまで延床面積の単位ですので塗装面積とは別になります。見積もり書に坪数が表記されていたら注意しましょう。
見積もり書に一式と表記してある
見積もり書に〇〇工事一式と表記されている場合も注意が必要です。なぜなら一式表記だと明確にどこからどこまでの範囲なのか、一式に何が含まれているのかがわからないからです。ですが一式表記を全否定するわけではありません。場合によっては一式表記が有効な局面も有ります。一式の内容が記載されていれば問題ないとは思いますがそのような文言も記載されていなければ業者に事前に確認した方がよいでしょう。
外壁塗装が3工程になっているか
外壁塗装は特殊な工法でない限り外壁の下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本になります。3回塗りを行うことで塗膜の厚みを確保する事ができて塗料本来の効果が発揮できるようになります。見積もり書に記載されている塗装工事の工程数が不透明な場合は担当者に確認をした方が良いでしょう。例外として多彩吹きやクリアー塗装などは2回塗りの場合もあります。
見積りの項目ごとの見方
外壁塗装工事の見積もりは工事の内容を項目ごとに理解することが大切です。しかし、見積もりの項目はリフォームの専門的な用語が多く理解が難しいと感じる方も少なくありません。項目ごとの見方を理解出来れば見積もりを見たときに何が含まれているのかどの部分が高いのかどの部分で節約できるのかが明確になります。そこで、ここでは見積もりの項目ごとの見方について解説していきます。
足場仮設
「足場仮設」は、外壁塗装工事の見積もりにおいて重要な要素です。外壁塗装工事は高所で行う作業であるため安全に作業を進めるためには適切な足場の設置が必須となります。そのため、見積もりの中には「足場代」が含まれることが一般的です。しかしながら、足場の設置費用は物件の大きさや形状、周囲の環境などにより大きく異なるため見積もりを取る際はこの点をしっかりと確認することが必要です。
メッシュシート
メッシュシートは外壁塗装作業時に使用される保護シートの一種で周囲への塗料飛散や粉じんやホコリを防ぐためのものです。基本的には足場の数量と同じになります。
外壁高圧洗浄
外壁塗装工事の見積もりにおいて欠かせないのが”高圧洗浄”の工程です。これは、塗装前に壁面の汚れや旧塗膜を落とすための重要なで作業です。外壁や屋根の塗装工事の見積もりの中に必ず含まれているべき項目です。しかし、この高圧洗浄の料金設定は業者によって大きく異なるため見積もりを比較する際には特に注意が必要です。また、高圧洗浄は塗装の品質にも直接影響を及ぼすためその方法や機材についても理解しておくことが重要です。具体的には、どの程度の圧力で洗浄するのか詳細な情報を塗装業者から聞いておくとよいでしょう。
外壁下塗り
外壁下塗りは塗装の品質と長持ちするための重要な工程で適切な下塗りがなされているかどうかを確認することで工事の品質を判断することができます。見積もりに下塗りの項目が明記されているか、そのうえで使用する塗料メーカー名と商品名が記載されていると尚良いでしょう。
外壁上塗り
外壁上塗りは外壁下塗り次に塗布する仕上げの作業になります。下塗りと同様でどのような塗料が使用されるのか具体的に明記してあるとよいでしょう。
屋根高圧洗浄
外壁の高圧洗浄と同様で塗装前に必ず行う作業です。屋根高圧洗浄は屋根塗装工事の前に行う重要な作業の一つで塗装の品質を大きく左右します。屋根の汚れや旧塗膜を高圧の水流で洗い流すことで新たな塗装がきちんと密着し長持ちすることを可能にします。また、高圧洗浄により屋根の表面の状態を確認し補修が必要な箇所を見つけることもできます。この工程は、外壁塗装の耐用年数や美観に大きく影響するため見積もりの際には高圧洗浄の項目や費用もしっかりと確認しましょう。
屋根下塗り
屋根下塗りとは屋根塗装工事の初期段階で行われる作業の一つで高圧洗浄後に屋根に最初の塗装する作業になります。これは、屋根材と上塗りとなる塗料が屋根面にしっかりと密着するための下地作りとなる重要な工程であり屋根の耐久性や仕上がりの美しさに大きく影響します。外壁同様に使用する塗料と量が明確化されているとよいでしょう。
屋根上塗り
屋根下塗り後に行う仕上げの工程。コチラも使用材料や量も記載されているとよいでしょう。
タスペーサー
いわゆるコロニアルという屋根材においてタスペーサーは使用されます。新設時はコロニアルとコロニアルの間に隙間がありその隙間から雨水を排水する仕組みになっています。ですが屋根塗装を行うとその隙間が塗料によって塞がってしまいます。排水が出来なくなってしまうと雨水が溜まりがちになり最悪の場合湿気により屋根材が腐ります。このような事を防ぐためタスペーサーを隙間に挿入してあげて排水口を確保します。
軒樋塗装
軒樋は屋根から雨水を適切に排水するための重要な建材でありこれが劣化すると家全体の耐久性に影響を及ぼす可能性があります。軒樋塗装は軒樋の保護と長寿命化を目的として行われます。また、軒樋塗装の見積もりは、使用する塗料の種類や塗装面積、軒樋の形状や状態により変動します。
竪樋塗装
竪樋とは軒樋から雨水を地上へと導く役割を持つパーツです。竪樋塗装の費用は、使用する塗料の種類や竪樋の形状、長さ等により変動します。
土台水切り
土台水切りとは家の基礎部分を雨水から守るための重要な部分で外壁塗装工事の際は塗り替えるケースがほとんどです。土台水切りは金属で作られている事例が多いのでケレン(下記で説明します)、さび止め塗料、上塗り2回が通常の仕様になるでしょう。
ケレンとは
ケレンとは塗装前に塗装面にペーパーなどで表面に傷をつけて塗装の密着をよくしたり既存の塗膜を取り除いて新たに塗装する準備をするためのものです。ケレンには大きく分けて「手ケレン」と「機械ケレン」の二種類があり、それぞれ作業時間や仕上がりの品質、費用が異なります。とくに明記がない場合は手ケレンと考えてよいでしょう。
【見積例】外壁塗装工事の費用相場がどれくらいなのかを把握する。
外壁塗装業者に見積もりをお願いしたが見積もり金額が安いのか高いのかわからない人のために価格の目安を解説します。
30坪の場合の各項目の費用相場
工事内容 | 単価 | 30坪の場合の数量【概算】 | 費用【概算】 |
---|---|---|---|
足場仮設 | 1000 | 175㎡ | 175000 |
飛散防止メッシュシート | 200 | 175㎡ | 35000 |
高圧洗浄 | 200 | 120㎡ | 24000 |
外壁塗装【下塗り、中塗り、上塗り】 シリコン樹脂塗料 | 2000 | 115㎡ | 230000 |
コーキング打ち替え | 900 | 100m | 90000 |
コーキング増し打ち | 700 | 100m | 70000 |
軒天塗装 | 900 | 20㎡ | 18000 |
屋根塗装【下塗り、中塗り、上塗り】 シリコン樹脂塗料 | 2000 | 70㎡ | 14000 |
雨樋塗装【竪樋、軒樋】 | 1000 | 35m | 35000 |
雨戸塗装 | 3000 | 12枚 | 36000 |
計727000 |
外壁塗装の見積もり金額を安くする方法
ここでは外壁塗装の見積もり金額を安くする方法を何点かお伝えします。
外壁塗装の希望金額を伝えておく
まず、外壁塗装の見積もり金額を安くする方法はあらかじめ希望の金額を業者に伝えておくことです。信頼できそうな業者に「あなたの会社にお願いしたいと思ってるんだけど90万以内でどうにか外壁と屋根塗装工事できないかしら?」このようなニュアンスで業者に希望金額伝えることで出来るだけお客様の期待に応えようとするでしょう。また、安易にたくさんの塗装業者に見積もりを依頼するよりも優良と思われる業者に巡り合った時点でこのような対応をする方が確実でしょう。
相見積もりをとる
近年では外壁塗装においては相見積もりをとるのは基本です。最初からここの業者にお願いしたい!という業者がいない限りは相見積もりをとりましょう。複数の業者から見積もりを取るとわかると思いますが価格やサービス内容に各社それぞれ違いがあると思います。価格と内容を比較しながら業者選定を行うと良いでしょう。ただし、闇雲に多くの業者から見積もりをとらずに3社ほどに留めておきましょう。
工務店やハウスメーカーではなく地元の外壁塗装専門店に依頼する
ハウスメーカーや工務店に依頼するよりも地元の外壁塗装専門店に依頼したほうが安く外壁塗装工事を行うことが出来るでしょう。おおよそではありますが工務店やハウスメーカーに依頼するよりも20%~30%ほど安く収まる傾向にあります。ハウスメーカーの外壁塗装については下記の記事でまとめています。良かったら参考にしてみて下さい。
火災保険を適用させて外壁塗装の費用を安くする
火災保険を適用させることで外壁塗装の工事費用を安くできる事もあります。火災保険を適用させるにはある一定の条件がありますがもしも適用することが出来れば通常よりも安く外壁塗装を行うことが出来るでしょう。火災保険については下記の記事でまとめていますので参考にしてみて下さい。
助成金や補助金を活用する。
各市町村などで補助金や助成金などが適用できることがあります。補助金の適用内容や金額の限度額は各市町村によって違いがありますのでお住まいの地域の市役所などに問い合わせてみると良いでしょう。
信頼できる優良な外壁塗装業者の選び方
外壁塗装の見積りを取る際には信頼できる業者の選び方が欠かせません。業者選びが適切でなければ見積り価格が不透明だったり後で追加料金が発生したりする可能性があります。ここでは、信頼できる塗装業者の特徴について簡単にまとめました。ぜひ参考にしてみて下さい。
インターネットや近隣の口コミで判断する
まず、業者選びの基本としてはその業者の評判やネットでの口コミをチェックすることが重要です。インターネットの口コミサイトやSNSでその業者についての評価を調べてみましょう。また、知り合いや近所の人々にもその業者についての評判を尋ねてみると良いでしょう。
見積もりの内容が適正
次に、業者が適正な見積もりを出す能力があるかどうかを確認します。これは、専門的な知識や経験を持っているかなどを確認することで判断できます。具体的には業者がどのくらいの期間で仕事を終えることができるか使用する塗料や工法についての説明が適切であるかなどを確認しましょう。
また、信頼できる業者は見積もりの詳細を明確に説明してくれます。作業工程や使用材料、料金の内訳など、見積もりについて詳しく説明してくれる業者を選ぶべきです。このような業者はお客様を大切にし透明性を重視する傾向があります。
外壁診断を時間をかけて丁寧に行う業者
外壁塗装のお見積もりを作成するには外壁の面積や既存外壁材や外壁の状態などを調査する必要があります。このような情報を把握するために外壁診断を必ず行います。外壁の面積を適当に測ったり屋根の調査もロクに行わないような塗装業者には注意しましょう。
外壁診断の調査報告書を作成できる業者
外壁診断後に劣化部分や屋根の調査写真などを交えた報告書を制作、提示できるような業者を選びましょう。ここで注意したいのは業者は口頭でのみ説明して書面では一切報告書などを提出しない業者です。
外壁診断の結果を基に見積もり書が作成されているか
外壁診断の結果を基に見積もり書が作られている事も良い業者の特徴になります。例えば、外壁の診断結果で外壁のクラックが多くみられる場合には見積もり書に別途でクラック補修の項目が積算されているなど劣化状況へのアプローチが明確化されているような見積もり書を作成する業者は信頼性が高いでしょう。
正確な見積もりを得るための注意点
外壁塗装の見積りを取る際にはいくつかの注意点があります。まず、自宅の外壁の現状を詳しく把握することが大切です。塗装面積、壁の素材や塗装の状態、補修が必要な箇所があるかどうかなど具体的な情報を集めておくことでより精度の高い見積もりを得られます。
また、どのような塗装を希望するかも明確にしておきましょう。耐久性や仕上がりの美しさを重視するか、コストを抑えたいかなどあなた自身のニーズに合わせて塗装方法や塗料を選ぶことができます。具体的な希望を持っている方が業者とのミーティング時にスムーズに話が進みます。
さらに、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。それぞれの業者がどのようなサービスを提供しているか、費用はどの程度か、という情報を集めることで、自分に最適な業者を選びやすくなります。業者選びにおいては、信頼性や実績も重要なポイントです。口コミや評判をチェックすると良いでしょう。これらの準備を行うことで、外壁塗装の見積もりを正確にそして自分の希望に合った形で取ることが可能となります。
まとめ
外壁塗装の見積もりを適切に理解し、適正価格で質の高い塗装を実現するためには、事前の知識と複数の業者からの相見積もりが重要です。見積書の内容をしっかり確認し、安心して施工を任せられる業者を選びましょう。