1.まずは確認!加入してる火災保険が適切なものになっているか知ろう
まず、ご加入いただいている火災保険の種類と契約内容を確認されることをお勧めします。戸建住宅向けの火災保険については、大別して3種類あります。「住宅火災保険」「住宅総合保険」「今までの保険よりも補償の範囲が幅広く実際の損害額が補償される新タイプの保険」です。
補償範囲をより広く実際の損害額を保証する補償を含んだ、従来の保険よりも改良された保険のことです。例えば、敷地内の野外設備なども補償の対象となる場合があります。また、従来の保険と異なり、補償額に制限がなく、実際に発生した損害額を保証対象とする保険も登場しています。しかるに、近年ではこのタイプが一般的になっています。
火災保険については個々の住宅に応じて様々な種類が存在します。まずはご自宅で利用している火災保険の「保険証券」をご確認いただくかご加入いただいている損害保険会社にお問い合わせ頂き保険の内容と種類を確認されることをお勧めします。
2.戸建住宅の火災保険の適用範囲とは?
戸建住宅の火災保険は火災やガス爆発だけでなく自然災害の損害もカバーされるものもあります。お住まいの外壁に何か被害があったときでも保険適用できる場合もあります。前章で紹介した3種類の火災保険は保険適用の条件に適合すれば外壁の塗装工事に対して保険適用されます。この章では、「住宅火災保険」と「住宅総合保険」を比較しやすくして、適用条件をご紹介します。
災害時に知りたい!住宅火災保険と住宅総合保険の被害適用条件
火災 | 風災 | 落雷 | 爆発 | 水害 | 水濡れ | 破壊 | 衝突・落下 | 盗難 | |
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住宅火災保険 | |||||||||
住宅総合保険 |
2-1.住宅火災保険って何?基本的な補償範囲について
「住宅火災保険」とは、戸建住宅用の火災保険の基本的なタイプです。火災による損害はもちろん、落雷・破裂・爆発・風・ひょう(雹)・雪災による損害も保障対象となります。たとえば、台風などで発生した飛来物の被害でも保障が適用されることがあります。 ただし、この保険には水害(もしくは水災と呼ばれるもの)や水濡れ事故などは含まれていません。これらは、保険が適用されない自然災害に分類されます。たとえば、洪水、高潮、集中豪雨などによる土砂崩れなどが該当します。 保障が適用されるかどうかについては、加入している保険証券を確認することが重要です。
2-2.住宅保険の中でも万能! 住宅総合保険に加入するメリットとは
上記の住宅火災保険の他に、住宅保険の総合的な補償を受けることのできる「住宅総合保険」がございます。このオールマイティな保険は自宅に関わる多岐にわたるリスクに対して補償を受けることができます。たとえば、車による外壁の損傷、または泥棒による個人資産の損失等が、適用される可能性があります。また、水害や水漏れ事故によるダメージも範疇に含まれております。このように、家屋にかかる保険の種類と内容を十分に確認することが大切です。
2-3.長期的な使用や経年劣化による外壁塗装の損傷に対してはどのような保険商品も適用除外される。
このような状況下において保険契約を締結していたとしても必ずしも補償が適用されるわけではありません。特に、「経年劣化」などは保険適用されない条件になります。具体例を挙げると外壁塗装に発生したコケ・カビ、各種サビ等は保険契約の補償対象とはなりません。 それでも、自然災害による被害が起こった場合、損害保険会社に認めてもらうための手順とポイントがあります。以下の章で、詳しく解説していきます。
火災保険の適用を受けるために大切な手順とポイント
ここでは具体的な手順と保険の適用に関わる重要なポイントについてご紹介いたします。
3-1.外壁塗装に被害が発生した際の損害保険申請の流れと注意点
もし、建物の外壁などに損壊が生じた場合には、次の手順を踏んで保険金請求の申請を進めてください。まずは加入している損害保険会社に早急にご連絡ください。
- 保険会社から必要とされる書類や手続きについての情報を詳細に聞き取り了承してください。
- ご自身での各申請書類を作成し保険金の請求申請を行ってください。
- 損害保険会社は申請を受けて損害鑑定人を現場に送って損害の調査を行います。
- 調査結果に基づき損害保険会社で審査を行います。
- 審査の結果保険金支払いが認められれば順調に請求が完了します。
- 保険請求が認められた場合は保険金が支払われます。
3-2 .外壁塗装の保険適用の可否を決める「損害鑑定人」とは
自然災害や経年劣化によって生じた被害かを損害保険会社はどのように見極めるのでしょう。保険の適用範囲に適合するかどうかを劣化具合を見て調査します。この調査は損害保険会社が選定した鑑定会社によって実施されます。一般的には損害鑑定人が現地を視察し自然災害による影響を明確に判断し、被害額を算定する報告書を作成し損害保険会社に引き渡します。
一般社団法人 日本損害保険協会が認めた「損害保険登録鑑定人」が持つ専門知識とスキル
「一般社団法人 日本損害保険協会」という業界団体が、損害保険分野で活動しています。団体が認めた「損害保険登録鑑定人」は建物や動産の保険価値算出、損害額の鑑定、事故原因の調査などを行うことができます。(引用元: 一般社団法人 日本損害保険協会公式サイト) 鑑定人の資格取得を判断基準の一つとして考慮することもぜひ検討されることをおすすめいたします。
http://www.sonpo.or.jp/exam/kanteinin/faq/zenpan.htmlhttp://www.sonpo.or.jp/exam/kanteinin/faq/zenpan.html
必要となる書類に関しましては保険契約時にご案内させていただいた代理店もしくは損害保険会社まで直接お問い合わせいただくようお願い申し上げます。お手続きにあたっては事前に必要書類の詳細をご確認ください。
3-3.火災保険申請書に必要な書類とは?手続きのポイントを解説!
火災保険の申請を行う場合、損害保険会社へ必要な書類を提出する必要があります。必要な書類は
- 保険金請求書
- 事故報告書
- 修理した箇所の工事見積書
の3つが主となります。これらの書類は自身で作成することも可能です。事故の報告書には契約者の名前や保険証書番号、損害発生の日時、損害発生の状況や事故の原因、被害を受けた家の住所、および損害箇所を示した家の見取り図などを含めることが良いでしょう。また、書類の提出先は、窓口になった代理店であっても構いませんし、損害保険会社に直接提出しても問題ありません。
3-4.事故報告書作成で「損害個所の写真」が重要な理由とは
報告書を作る時には被害箇所の写真が非常に重要になってきます。写真には被害箇所の詳細が映し出されるためその部分が保険の適用範囲かどうかを判断しやすくなります。また、写真があれば調査自体も円滑に進むことが期待できます。 報告書作成の際には、個人で所有しているカメラを使用して被害箇所を撮影することを推奨します。撮影する際には、被害箇所を明確に示すため、被害があった方角の外壁も含め、外観も撮影することが大切です。加えて、撮影した写真に印を付け、報告書に一緒に提出することをお勧めします。
3-5.保険金の申請に必要な見積もり算出方法とは?
見積額の算出方法について皆さまが独力で行うことは困難です。このため専門書を用意してひとつずつ積算することは至難の業であり時間もとられてしまいます。したがってこのような場合は専門の業者に依頼することをお勧めします。保険金の申請を目的にすることを事前に伝えると、迅速に対応してくれます。ただし、業者を選ぶ際には注意が必要です。次章で詳しく解説します。
火災保険を外壁塗装に適用させる前に知っておきたいポイント
火災保険を外壁塗装に適用させる前に知っておきたいポイントは主にに4つあります。
- 保険の支払い金額は必ず満額もらえるわけではない。
- 保険の契約内容によっては保険適用後に契約が終了することがある。
- 被害状況の写真が必要になる
- 悪質な外壁塗装業者に注意する必要がある
保険適用が認められた際に保険の支払い金額を決めるのはあくまでも損害保険登録鑑定人になります。火災保険は被害の程度により支払い金額が決まります。ゆえに、請求金額よりも実際に支払われる金額が大きく減額される場合も往々にしてあります。もちろん大災害などの被害を受けてしまった場合などは満額支払われる可能性が高いです。
例えば、台風による被害で60万円の修繕費用が必要になったとします。60万円の保険適用を保険会社に請求した場合に損害保険登録鑑定人の鑑定結果が20万円しか認められなかった場合残りの40万円の費用は家主の自己負担になってしまいます。
このようなことから保険金が貰えることを前提に外壁塗装は危険なのでやめたほうが良いでしょう。あくまでも期待せずに保険適用が出来たらいいなぐらいのスタンスでいる方がよいです。また、火災保険は損害を受ける前の状態に戻す現状復帰の費用が保険金額になります。損害前よりも良いグレードの塗料を使用するとその分自己負担になる可能性が高くなることを念頭に入れておきましょう。
火災保険を使うと保険の契約内容によっては契約が終了することがあります。火災保険は損害を受けた際に基本的には何回でも請求することが可能です。ですが、一定の金額を請求すると契約が終了してしまうことがあります。例えばの話ですがハリケーンが突如発生し家が全損してに契約した保険金が満額下りた場合は火災保険の契約は終了になります。
火災保険は契約内容にもよりますが保険支払い金額が80%~満額の場合は契約が終了する場合が多いです。
また、契約が終了になった場合は新たに保険に入るなどの対策をしなければなりません。一度契約が終了になると同じ保険には入れなくなるなどの弊害も起きたりしますので保険契約が終了になる条件や終了した際のデメリットなど火災保険を使用する前に担当者に確認しておくとよいでしょう。
火災保険を使う際には被害の状況の写真を求められることがあります。これは、損害が起きたことを証明するために重要な写真となります。この写真は必ず損害部分を修理したり片付けたりする前に写真を撮りましょう。損害部分を近くで撮るだけではなく引き気味で前景を撮るようにするとどこの家なのかがはっきりわかるので撮っておきましょう。
また、屋根などが強風で被害を受けた場合などは高所での撮影になるのでとても危険です。このような場合は外壁塗装の業者などに相談してみるとよいでしょう。無料で対応してくれるでしょう。
これについては下記でも解説していますが火災保険を使う際には悪徳業者に注意する必要があります。ここ日本は災害大国でもあり火災保険を使った悪質業者の詐欺行為が横行している側面もあります。火災保険を外壁塗装に適用させるには正しいプロセスを踏んで手続きを行う必要があります。悪徳業者の言う通りに手続きを行うと知らず知らずのうちに詐欺の片棒を担ぐことになっているということもあり得ます。
下記ではそんな悪徳業者に騙されないための注意点について解説していますのでぜひ参考にしてみて下さい。
火災保険を活用した外壁塗装において悪徳業者に騙されないための注意点
火災保険を活用する際に悪徳業者に騙されないためのポイントを下記にまとめました。このような業者に心あたりがある方にある方は注意しましょう。
- 無料で工事ができると執拗に主張する。
- 契約書を発行しない。
- 保険適用が確定してない段階で工事を進める
- 保険の申請手続きとして高額な手数料を請求してくる。
- やらなくてもよい工事を行う。
- 保険申請手続き時に虚偽の申請を強要してくる。
悪徳業者の外壁塗装工事の手口とは??
外壁塗装に火災保険を利用する場合には注意が必要です。それは、保険金を餌に工事契約を迫る悪徳業者の存在です。このような業者は、「火災保険を使うことで、無料で外壁塗装が可能ですよ」といった誘惑的な言葉で、近づいてくることがあります。外壁が無料で綺麗になるのは魅力的ですが一般人には気づきにくいカラクリがあります。
怪しい業者の共通点には幾つかの特徴があります。彼らは「無料で工事ができる」と繰り返し主張し、保険金の代行申請や申請書の作成などを仕切ることがよくあります。また、契約書を交付してくれなかったり不安を煽るような言動もします。国立生活センターにも、そういった迷惑業者の報告が寄せられています。 保険契約に関しては、それぞれの家ごとに契約内容が異なり関与する損害保険会社も何らかの差異があることから「無料で外壁塗装が可能」と宣言するというのは明らかにおかしいと言わざるを得ません。もし偽の申請書で保険金を申請してしまうと損害保険会社から「詐欺行為がある」と疑われる場合もあります。 こうした詐欺師たちは申請時には必ず修理工事の依頼を勧めています。そして実際に工事を終えた後、高額な手数料を要求するなど悪質な手法を用いることもあります。 この種の詐欺事件は、特に屋根修理業者と関連していることが多いようですが外壁塗装についても気をつける必要があります。本来、保険金は正当に受け取る権利があるものです。仮に被害箇所を全額無料で修理できた場合でも、保険金は本来の受取人以外の不正な業者に渡されるようなことは許されません。
消費者が選ぶべき良心的な業者探しのポイント2つ
消費者の利益に配慮した公正かつ責任ある業者を見つけ出すには2つのポイントがあります。1つ目は地元での業者の評判を調べることです。業者の口コミや評判が問題ないかどうかを確認し、悪い噂がある場合は注意が必要です。長年、地元コミュニティーに貢献してきた業者は信頼性が高くお客様との信頼関係を築くことを重視していることが多いです。また、営業スタッフの評判も確認しましょう。 2つ目は、火災保険の適用された塗装工事の実績を持つ業者かどうかを確認することです。これにより、見積額の算出や見積書の作成時に有益なアドバイスを得ることができます。すべての業者が消費者の利益を第一に考えているわけではありません。そのため、業者の信頼性を自分自身で判断することが不可欠です。
3.火災保険で外壁塗装のリフォーム費用が補償される条件とは?
火災保険には様々な補償内容がありますが外壁塗装工事に関してはどうなるのでしょうか。まず、一般的に火災保険は、火災、落雷、風災などの自然災害によって家屋が被害を受けた場合の費用を補償するものです。これらの自然災害によって外壁が損傷し外壁塗装の再施工が必要になった場合は火災保険によるリフォーム費用が補償が適用される可能性があります。
しかし、経年劣化や日常的な使用による損傷に対する外壁塗装は基本的に火災保険の補償対象外となります。これは、火災保険が予期せぬ事故や災害による損害に対する保険であるためです。
火災保険を申請して外壁塗装工事の費用が適用された事例
結論からもしあげますと私の経験上で火災保険で外壁塗装の工事費用が保証されたことありません。しかし、外壁以外の部分で保険適用が認められて工事全体で見た時に費用が通常よりリフォーム費用が安くなった事例は数多くあります。下記ではよくある保険適用の事例を紹介していきます。この記事を読んでいる方で心当たりがある方は一度専門の業者に相談してみるとよいかと思います。
雪で軒樋が曲がってしまった。
この事例は軒樋に雪が積もった重みで軒樋が曲がってしまうという事例になります。東京でも7年くらい前の大雪でこのような事例が数多く見受けられました。このケースは地上からみても明らかに軒樋が曲がっているのがわかるので大雪が降った時は確認してみるとよいでしょう。
台風で屋根材がひび割れを起こした。
こちらもよくある事例です。台風などの暴風で屋根材が吹き上げられて屋根材が割れたり屋根材と屋根材に大きな隙間が出来てしまったりします。こちらの事例は地上からでは確認できませんので専門業者に相談するとよいでしょう。
屋根に積もった雪が落下してカーポートを破壊した。
水分を含んだ雪が凍ると非常に硬い雪になります。そんな雪が屋根から落下してカーポートに直撃。結果的にカーポートの屋根に大きな穴が空いてしまう事例です。このようなケースは稀ですが屋根の真下にカーポートがあるお家は注意が必要です。東京では雪が降ることはあまりありませんが大雪が降った際には気をつけましょう。
風災でサイディングボードがはがれた
台風などで暴風域で飛来物が直撃してサイディングボードが欠損や剥がれを起こすケースになります。サイディングボードが高い位置から落下することもあるのでこのような場合も早い段階で専門業者に相談しましょう。
まとめ
火災保険と言いますが様々な自然災害に適用されることがありこれに関して驚かれる方も少なくありません。重要なのはご契約の火災保険の内容を見直し十分に理解することです。起きた災害に保険内容が適用されるのかが非常に重要になります。この記事を機会に保証内容を確認してみるとよいでしょう。また、保険適用で外壁塗装ができるということではなく他の部分が保険適用が認められて全体の工事金額が一般的な外壁塗装工事費用より安く収まるということも念頭に入れておきましょう。少しでも保険適用される可能性があると感じたら早い段階で専門業者に相談するとよいでしょう。